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TikTokやXでも拡散、テレビ局アカウントも...軍事演習の裏で進む中国「ハイブリッド戦」とは何か

2024年5月27日(月)19時40分
李紫楓(ジャーナリスト)

このように中国は台湾に対し、世論工作、軍事行動、グレーゾーン戦術、法的・認知的闘争を組み合わせた「ハイブリッド戦」戦略を展開している。各戦術は複数の領域で統合的に進められ、影響を最大化すべく相互に補強し合う。既存の国際規範のグレーゾーンを悪用するこうした戦術の統合は、欧米先進国などの民主主義陣営にとって大きな安全保障上の脅威だ。

前回の台湾海峡危機(1995~96年)当時に比べ、中国の国力が強大化したことは間違いない。ただし、その代償もある。例えば、世界経済のサプライチェーンや金融市場における相互依存の高まり。それが中国の弱みであり、抑止は可能だ。ただし、脅威の特質に合わせた抑止力の構築が必要になる。

21世紀の戦争は宇宙、経済、サイバー空間など複数の領域にまたがって展開される。それを考えると、民主主義陣営は台湾海峡の平和と安定を確保するため、従来の安全保障の枠組みを超えたハイブリッド戦の特質に対処できる包括的な多領域型抑止戦略を確立しなければならない。

今回の軍事演習は氷山の一角だ。中国は自らの政治的・戦略的意図に合わせた危険な「新常態」を次々につくり出している。

From thediplomat.com

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