最新記事

自動車

「走る要塞?」...防弾仕様、核電磁パルス対応の武装SUVが登場

2023年2月8日(水)15時30分
青葉やまと

追っ手による脅威だけでなく、テロや核攻撃などへの対応も視野に入れているようだ。万一核攻撃や電磁攻撃が実行された際には電磁パルスが生じ、一帯では電子機器が使用不能となる。ヴェンジェンスはこのような状況を想定し、パルスから車体を保護する機構を備えている。

車内にはサバイバルキットが常備されており、防弾ヘルメットに防弾ベスト、ガスマスクに救急キットといった装備で同乗者の命をつなぐ。

英紙は巨大化傾向にチクリ

英ガーディアン紙は、「ビッグマックからマクマンション(狭い土地に量産される豪邸を軽蔑していう)まで、ありとあらゆるものを大型化することが大好きなアメリカでは、既存のものよりも大きく、より重いクルマの販売が急伸しているのにも無理はないことだ」と皮肉たっぷりだ。

同紙はさらに、車体重量が大きなSUVの販売が伸びるに従い、こうしたセグメントの車で高くなりがちな歩行者の死亡率の増加が問題になっていると指摘する。通常のSUVにも輪を掛けてバルキーなヴェンジェンスは、同乗者に究極の安全性を提供しつつも、歩行者にはちょっとした脅威となるかもしれない。

アメリカ国内でもさすがに、過剰な装備をどう受け止めてよいか戸惑いがあるようだ。米自動車メディアのジャロプニックは、「今日の市場において、レズヴァニ ヴェンジェンスほど人に見られて恥ずかしい思いをするクルマはそうそうない」「世間を恐れ、郊外のスターバックスに行ってコーヒーを安全に注文するために、AR-15ライフルを2丁持っていくべきだと信じているような奴のための、浮世離れしたクルマだ」と痛烈だ。

要人にとってはありがたい?

非難ごうごうのヴェンジェンスだが、要人にとっては心強い相棒となるかもしれない。

ヴェンジェンスは7シータまたは8シータ仕様の武装SUVだ。6.2L V8エンジンを標準搭載し、3.0LターボディーゼルまたはV8エンジンをオプションで選択可能となっている。衝突警報や電動テールゲート、ヒートシーターなど、一般の乗用車で普及が進む機能も標準搭載している。

ベース価格は28万5000ドル(約3700万円)。オプションフル装備では49万9000ドル(約6500万円)の設定だ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米財務長官、FRBに利下げ求める

ビジネス

アングル:日銀、柔軟な政策対応の局面 米関税の不確

ビジネス

米人員削減、4月は前月比62%減 新規採用は低迷=

ビジネス

GM、通期利益予想引き下げ 関税の影響最大50億ド
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中