最新記事

災害

トンガ、海底火山噴火で通信途絶が続く 津波などの被害まだ不明

2022年1月17日(月)09時40分
噴火2時間前のトンガの海底火山「フンガトンガ・フンガハーパイ」の衛星写真

南太平洋の島国トンガ沖で海底火山が大規模噴火を起こし、津波が発生した影響で、同国では電話やインターネットがつながらない状況が続いている。写真は噴火2時間前の海底火山「フンガトンガ・フンガハーパイ」の衛星写真。Planet Labs PBCが15日に撮影(2022年 ロイター)

南太平洋の島国トンガ沖で15日に海底火山が大規模噴火を起こし、津波が発生した影響で、同国では電話やインターネットがつながらない状況が続いている。死傷者などの被害状況はまだ明らかになっていない。

噴火したのは首都ヌクアロファの北約65キロにある海底火山「フンガトンガ・フンガハーパイ」。トンガ沿岸部や複数の南太平洋諸島で1.2メートルの津波警報や避難命令が出され、ソーシャルメディアには沿岸部の住宅に波が押し寄せる様子を映す動画が投稿された。

15日夕にはインターネットや電話がつながらなくなり、住民とほぼ連絡がつかない状況となっている。

トンガはニュージーランドの北東2383キロに位置する人口約10万5000人の島国。

ニュージーランドのアーダーン首相は16日の記者会見で、現時点でトンガから負傷者や死者の公式報告はないと述べた。ただ、通信は限定されており、ヌクアロファ以外の沿岸部や火山に近い地域などとはまだ連絡がついていないと指摘した。

「ヌクアロファは噴火に伴う粉じんに厚く覆われているが、落ち着いた状態」とした一方、「まだ連絡が取れず、状況が分からない地域がある」と述べた。

海底通信ケーブルが影響を受けているとし、停電が原因の可能性が高いと指摘。一部地域では電力が復旧し始めており、携帯電話が使えるようになりつつあるとも述べた。

公式な被害状況の評価はまだないとした上で、現地のニュージーランド高等弁務官事務所からは、津波によってヌクアロファの北側沿岸部が大きな被害を受けたという報告を受けていると明らかにした。

オーストラリアは17日に観測機を派遣し、道路や港、電線など重要インフラへの被害状況を調べると発表した。

ブリンケン米国務長官は支援を提供する用意があると表明した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ラファ住民に避難促す 地上攻撃準備か

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、4月も50超え1年ぶり高水準 

ビジネス

独サービスPMI、4月53.2に上昇 受注好調で6

ワールド

ロシア、軍事演習で戦術核兵器の使用練習へ 西側の挑
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中