最新記事

ロボット犬

新型aiboはワンコそっくり、でも難点が1つ

2017年11月2日(木)14時30分
シドニー・ペレイラ

AIを活用したaiboは愛情を感じるとより深い愛情で応えるようになる Kim Kyung-Hoon-REUTERS

<おもちゃが好きで高所恐怖症──よりリアルになって返ってきたaiboだが、残念ながらエネルギー不足?>

愛くるしいロボット犬が帰ってきた。ソニーは来年1月11日、AI(人工知能)を搭載した新型「aibo(アイボ)」を発売する。多くのユーザーに愛された旧型の生産が打ち切られたのは06年。12年ぶりのアイボ復活はソニー復活のシンボルでもある。

尻尾を振り、片耳を動かし、おもちゃに興味を示すアイボ。ソニーによれば、AIを活用した新型アイボは「オーナーの愛情を感じとるとより深い愛情で応えるようになるなど、時が経つにつれて絆が深まる」という。

その秘密はディープラーニング技術を採用した画像・音声認識にある。オーナーが褒めたり、笑ったりすると、アイボはちゃんと反応する。好きな色はピンク。好奇心旺盛なのに、ちょっぴりびびりで、高い所や狭い所は苦手だ。

ただし、バッテリーがもつのは2時間。充電には3時間かかるから、一日のうちのかなりの時間を「お昼寝モード」で過ごすことになる。

99年に発売された旧型アイボは日本国内で15万台売れたが、競争激化と経営不振で06年にロボット事業から撤退。だが18年3月期はソニーも20年ぶりに最高益を更新できる見込みとなるなど、復活の兆しを見せている。

クラウド通じて育てる

06年の生産終了は「厳しい判断」だったと、平井一夫・社長兼CEOは11月1日に行われたアイボ発表会見で打ち明けた。アイボ復活プロジェクトが始動したのは1年半前。「愛情を持って育てるロボットの開発はソニーのミッションだ」と考えた平井は、旧型を開発したベテラン技術者と若手から成るチームに開発を指示したという。

アイボの名前はAIと日本語の「相棒」をもじったものだ。新型アイボはソニーが新たに開発した超小型1軸・2軸アクチュエーターを搭載して22軸の可動域を実現。旧型よりも動きが滑らかになり、首を傾げたり、ちんちんをしたり、愛らしい仕草をするようになった。

本体価格は19万8000円。これとは別にクラウドにアクセスしてアイボを育てていくために「aiboベーシックプラン」への加入が必要になる。アイボが喜ぶ骨型のおもちゃ「アイボーン」も2980円で販売される予定だ。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロ外相、イエメン攻撃の即時停止と対話要請 米長官と

ワールド

習主席、中国EU首脳会議の招請辞退と英紙報道 外交

ワールド

ケロッグ米特使の職務限定、ロシアが「ウクライナ寄り

ワールド

米がフーシ派に大規模攻撃 商船攻撃に強硬措置 31
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 2
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴された陸上選手「私の苦痛にも配慮すべき」
  • 3
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ?
  • 4
    エジプト最古のピラミッド建設に「エレベーター」が…
  • 5
    【クイズ】世界で1番「天然ガス」の産出量が多い国は…
  • 6
    自然の中を90分歩くだけで「うつ」が減少...おススメ…
  • 7
    中国中部で5000年前の「初期の君主」の墓を発見...先…
  • 8
    鈍器で殺され、バラバラに解体され、一部を食べられ…
  • 9
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 10
    ピアニスト角野隼斗の音を作る、調律師の知られざる…
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 3
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 4
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 5
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ…
  • 8
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 9
    ラオスで熱気球が「着陸に失敗」して木に衝突...絶望…
  • 10
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中