最新記事

アマゾン

忍び寄るアマゾンの巨大な影 全米あらゆる企業が避けられぬ懸案に

2017年8月1日(火)16時16分

7月28日、自動車修理から実験道具、水泳プール用品に至るまで、米国のビジネスに幅広くのしかかっているものは何か。答えは、アマゾンだ。写真は仏北部のアマゾン物流センターで2月撮影(2017年 ロイター/Pascal Rossignol)

自動車修理から実験道具、水泳プール用品に至るまで、米国のビジネスに幅広くのしかかっているものは何か。答えは、アマゾンだ。

今回の決算期、これまでのところ米企業700社近くが第2・四半期決算を公表したが、決算説明の電話カンファレンス10回に1回程度、米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムの名前が登場している。アマゾンにシェアを奪われ続けている小売企業は、まだ決算を発表していないにもかかわらず、だ。

この数週間に行われたS&P1500種採用企業の電話カンファレンスをロイターが分析したところ、アマゾンの話題が偶然または緊急性を伴った形で取り上げられたのは、75のカンファレンスに上っていた。これは、米IT大手アルファベットやその傘下のグーグルが取り上げられた回数の倍以上であり、アップルの3倍に及ぶ。

アマゾンの名前が圧倒的頻度で企業幹部やアナリストの話題に上っていることは、アマゾンの影響力が急速に拡大していることの新たな証左だ。先月、米自然・有機食品小売大手ホールフーズ・マーケットを140億ドル近くで買収すると発表したことも、新たな懸念材料となっている。

もともとは伝統的な店舗型小売業にとっての脅威にすぎなかったアマゾンの暗雲は、米経済の隅々にまで届くようになり、次はどこが標的になるのか懸念する声もある。これまで、アマゾンについて特に心配していなかった企業幹部ですら、自身の業界にアマゾンがどう影響し得るかという質問に答えなければならない場面が出てきた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾閣僚、「中国は武力行使を準備」 陥落すればアジ

ワールド

米控訴裁、中南米4カ国からの移民の保護取り消しを支

ワールド

アングル:米保守派カーク氏殺害の疑い ユタ州在住の

ワールド

米トランプ政権、子ども死亡25例を「新型コロナワク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    「AIで十分」事務職が減少...日本企業に人材採用抑制…
  • 9
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 4
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中