最新記事

英王室

ダイアナ悲劇の死から20年、活発化する暴露の動き

2017年8月26日(土)17時00分
ニューズウィーク日本版編集部

初公開された肉声の告白

8月14日、イギリスのナショナル・ジオグラフィック・チャンネルでダイアナの新たなドキュメンタリーが放送された。ナレーションを務めたのは......ダイアナその人だ。

『ダイアナ――自身の言葉で』と題したこの番組では、ダイアナが91年当時、伝記本への情報提供のために自ら録音していた音声テープを公表した。テープは友人を通じてジャーナリストのアンドリュー・モートンに届けられ、伝記『ダイアナ妃の真実』が完成した。92年に出版されたこの伝記は議論を巻き起こしたが、ダイアナ自身が直接関与していたことは、彼女が亡くなるまで公表されなかった。

ダイアナ肉声の告白は赤裸々だ。結婚前にチャールズにエスコートされて出席した初めての王室行事では、大人っぽい黒いドレスを選んだが、チャールズ皇太子に「黒は喪服でしか着ない」と非難された。これに対し19歳のダイアナは、「そうね、でも私はまだ王室の一員ではないから」と答えた。

【参考記事】ダイアナ元妃は、結婚前から嫉妬に苦しんでいた

一夜にして国際的セレブの仲間入りをしたダイアナは、心の準備もできず、不安だらけだったという。結婚当日は「いけにえになる子羊のような気持ち」だった。ハネムーンのときにはチャールズのカミラ(現夫人)への気持ちに気付いており、惨めさで「胸が張り裂けるほど泣いた」。

カミラとの直接対決の様子も語っている。チャールズとの不倫を否定するカミラに、ダイアナは一歩も引かなかった。「『カミラ、私は何が起こっているか全て知っている』と言うと、彼女は『何のことを話しているのか分からない』と答えた。それで私は言った。『あなたとチャールズの関係のことよ。私が全て分かっているということを、よくおぼえておいて。私を間抜けだと思わないほうがいいわ』」

皇太子妃としての義務を「演じている」と言うダイアナは、「でも、私が次の王妃になることは決してないと分かっている」とも語った。それは悲しくも正確な予言だった。彼女は6年後にこの世を去った。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英シュローダー、第1四半期は98億ドル流出 中国合

ビジネス

見通し実現なら利上げ、米関税次第でシナリオは変化=

ビジネス

インタビュー:高付加価値なら米関税を克服可能、農水

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中