最新記事

アメリカ政治

米次期政権の顔ぶれはトランプ同様「ボス」揃い エゴの衝突も?

2016年12月20日(火)18時26分


行政に切り込む

 ホワイトハウス未経験の次期閣僚指名者らを知る人々は、彼らが従来の行政に切り込むと予想している。

 保健福祉長官に指名されたトム・プライス共和党下院議員について、同じく共和党議員のトム・コール氏は「生まれながらにして決断力がある」と評する。

 住宅都市開発長官に指名された元神経外科医のベン・カーソン氏について、元同僚のヘンリー・ブレム氏は「冷静」で直言を恐れない人物だと説明。「彼は紳士で、率直に語る。着想は壮大。そして世界中だれ1人として彼を脅すことなどできない」と述べた。

 エネルギー長官に指名されたリック・ペリー氏は、テキサス州知事を3期務めた人物。テキサス大のテキサス政治プロジェクト学部長、ジェームズ・ヘンソン氏によると、ペリー氏はこれまで「非常に保守的でイデオロギー色を強める草の根の支持層と、非常に強い影響力を持つ財界のバランス」を取ってきた。

 しかしヘンソン氏は「官僚に囲まれ、明らかに大きなエゴがしのぎを削る内閣という環境でもそれができるかどうかは、別の問題だろう」と見ている。

 財務長官に指名された元ゴールドマン・サックス幹部のスティーブン・ムニューチン氏は、世界金融危機で破綻した住宅金融機関のインディマックを2008年に買収し、ワンウエストという社名で新生へと導いた。

 投資会社幹部のケビン・ケリー氏は、実業界におけるこの種の機転が、政権の活性化にいかせるかもしれないと見る。高レベルの企業経験を持つ人々は、株主、取締役会、従業員、地域社会のいずれも満足させる必要があり、「非常にきちんとしていて熱心な人物でなければつとまらない」からだという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

仏GDP、第1四半期は前期比+0.2%に加速 予想

ビジネス

日揮HD、24年3月期は一転最終赤字に 海外事業で

ビジネス

独VWの第1四半期、営業利益が20%減 年間目標は

ビジネス

米テスラ、上級幹部を削減 追加レイオフも実施=ニュ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「瞬時に痛みが走った...」ヨガ中に猛毒ヘビに襲われ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中