最新記事

英EU離脱

スコットランドのスタージョン首相、英EU離脱に向けあらゆる選択肢

2016年10月17日(月)10時57分

10月15日、英北部スコットランドのスタージョン行政府首相は、スコットランドは英国のEU離脱に向け独立を含めあらゆる選択肢を準備していると明らかにした(2016年 ロイター/RUSSELL CHEYNE)

 英北部スコットランドのスタージョン行政府首相は15日、自身が率いるスコットランド国民党(SNP)の大会の閉幕に当たり、スコットランドは英国の欧州連合(EU)離脱に向け、独立を含めあらゆる選択肢を準備していると明らかにした。

 また、スコットランドとEUとの通商関係の維持に向けた措置も計画しているとした。

 首相は「英政府がスコットランドに経済悪化、雇用喪失、生活水準の低下、開かれた多様な国としての評判を傷つける道を強要する場合、スコットランドはEUにとどまるべきだ」と発言。「スコットランドはより良い未来を選ぶことができるはずだ」と語った。

 英国のEU離脱に伴い、スコットランドも欧州の単一市場へのアクセスを失うという見通しから経済の安定性が脅かされているとも述べた。

 6月のEU離脱の是非を問う英国民投票でEU残留派が多数を占めたスコットランドは、英国がEUを離脱した場合でも単一市場へのアクセスを維持したい考えで、そのための特別な合意をEU側から取り付ける道を模索している。

 スタージョン首相は、スコットランドの利益を守ることは独立の是非を問う住民投票の再実施を意味する可能性があると述べた。

 現段階の世論調査では、住民投票での独立派の勝利は予想されていない。

 首相はまた、スコットランドで事業を行う企業の保護に向け、新たな通商機関の創設、スコットランド企業庁の拡張、現在のダブリン、ロンドン、ブリュッセルに加えて新たにベルリンにスコットランドの通商代表部を置くなどの計画を発表した。

 首相は13日、独立の是非を問う住民投票を実施するための法案の草稿を翌週にも公表すると表明。英国がEUから正式に離脱すると見込まれる2019年3月までに住民投票を実施できる体制を整えておく方針を示した。

[グラスゴー(スコットランド) 15日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米との鉱物協定「真に対等」、ウクライナ早期批准=ゼ

ワールド

インド外相「カシミール襲撃犯に裁きを」、米国務長官

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官を国連大使に指名

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税の影響で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中