最新記事

ペット

飼い主留守でも猫まっしぐらなペット自動エサやり機 ネット接続の失敗と教訓

2016年8月23日(火)18時30分
ケイト・ローレンス ReadWrite[日本版]編集部

 
 これは書いておくべきことだと思うが、たしかにPetnetは妥当な時間内に彼らのサーバの問題を解決できたかもしれないが、その一方で、飼い主たちのストレスを過小評価することはできない。IoT反対派にとっては、家でエサをもらえずに惨めな思いをしている子猫や子犬の写真を投稿するうってつけの機会ともいえる。TwitterやFacebookの更新、メールでのサポートで人を安心させることは難しいだろう。しかしながら、Petnetが顧客に直接コンタクトし、システムは復旧したということを伝えたのは評価されるべき点である。

 今回、顧客にとってもっとも教訓になったことは、購入したコネクテッドデバイスの規約、特にリスクに関する部分をよく読むべきという点である。規約にはサービスに関する妙な制限事項が記載されており、事実上Petnetはサービス障害の影響について何の責任も負わないことになっている(下の画像の青い背景色の部分)


readwrite20160823172544.jpg


 また、自動エサやり機が今後も製品として成立するのかということ自体も別の問題として上がってきている。複数種のペットを飼う家庭ではそれぞれに与えるものが異なり、これに対応している製品はほとんど無い。さらにペットとの日常生活におけるこれまで通りの問題もある。

 オーナーにとってエサはペットのしつけに有効な手段だろう。猫のようにいわゆるしつけの効かない動物などは尚更かもしれない。ただ、基本的に動物は人に世話してもらう必要があり、犬の場合はさらに遊びと運動も必要だ。今回のコネクテッドデバイスの障害は、ペットとの関わり方を見直す機会となるだろう。そして、エサやり機だけではない、我々の生活必需品となるIoT製品の開発者に「考えるべきこと」の示唆を与えたはずだ。

 

footerlogo.png
ReadWrite[日本版]編集部

-

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米CPI、4月は前年比3.4%上昇に鈍化 利下げ期

ビジネス

米小売売上高4月は前月比横ばい、ガソリン高騰で他支

ワールド

スロバキア首相銃撃され「生命の危機」、犯人拘束 動

ビジネス

米金利、現行水準に「もう少し長く」維持する必要=ミ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 5

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    奇跡の成長に取り残された、韓国「貧困高齢者」の苦悩

  • 8

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中