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「社会課題に楽しく挑む姿を示したい」...身近な所からコツコツと積み上げる、SDGs達成に向けた産案の取り組み

2025年1月9日(木)17時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

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知的障害者支援施設で製造されたパンなどを社内販売している

例えば、2024年12月時点までに26回開催されたレインボーハウス明石と連携したパンの社内販売は、社員向けの福利厚生と、障がい者の就労支援という2つの目的を両立している点が特徴だ。この活動を支えるレインボーハウス明石の泉 裕氏は次のように語る。

「製造に携わる利用者の方々は就労継続支援A型の福祉サービスを通じて雇用関係を結んでいます。一般のお客様に販売するため、商品クオリティには妥協せず、お客様に喜ばれるパンを作り続けています」

販売担当者は「販売は楽しいです。おすすめのパンは黒ゴマチーズサンドとスパイシーベーコンです。いつもトレーの拭き掃除を頑張っています」と述べる。また、美味しいパンはいつも大人気で、製造販売担当も「パンがたくさん売れるといいなと思います。おいしいパンをたくさん買って食べてほしいです」と語る。

この活動を毎月継続することが、社員のサステナブルな社会貢献の再認識につながっているのだ。

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SELFURUGI早稲田店の内装。古着の無人販売店となっている

また、サステナビリティとファッションの融合が、新たなビジネスの可能性も広げている。2023年にオープンした「SELFURUGI早稲田店」は、単なる古着店ではなく、SDGs(持続可能な開発目標)の推進を目的としてスタートした。その背後には、「SDGsの当事者として、社会課題に楽しく挑む姿を示したい」というプロジェクトを主導する神山新治氏の確固たるビジョンと挑戦への意欲があった。

「SELFURUGI早稲田店」のオープンから1年を記念して開催された、全社員が参加するイベントでは、社員に好きな古着1着をプレゼントする取り組みを実施。これは、これまで古着に馴染みのなかった社員たちに「サステナビリティ×ファッション」という新しい価値観を共有する機会になっただけでなく、自社の事業やSDGsに関して、経営陣と社員の思いを強化する場となった。

神山氏は次のように語る。「新しい事業に挑戦する姿勢を示すことで、社員が積極的に『挑戦』を意識するきっかけを作りたかったのです」

さらに寺子屋については、「仕事を頑張る社員の子どもたちに、自分の親の仕事について知ってもらうことで、家族がハッピーになるかもしれない。子どもたちに学校で学べないことを学ぶ機会を作りたいという社長の思いからスタートしました」と、荒氏は語る。「社員本人だけでなく、それを支える子どもたちを大切にするという福利厚生の観点にたったプロジェクトとなっていると思います」

SDGsに積極的な中小企業は「まだ4割」であることも現実だ。実際、人材や資金の面で余裕がないと考えたり、大掛かりな取り組みはできないと躊躇する企業は多い。そうしたなかで持続可能な社会を実現するためには、産案の取り組みのように心理的なハードルを下げ、まずは身近なところや社内に目を向けて「できること」から始めてみるのが良いのではないだろうか。

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