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お金の専門家が伝授...投資先を決める際に「必ず」チェックすべき「3つのポイント」とは?

2025年12月11日(木)17時05分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

シミュレーターを使えば、快適な老後を暮らすためには、給与から毎月何%を投資する必要があるかが分かる。毎月の積立額を引き上げると、いかに早く引退できるようになるか、驚くだろう。例えば、毎月わずか50ドル増やしただけで、予定よりも1~2年早く引退できる。

つまり、ジェシカが学生ローンをもっと積極的に返済し始める前に取り組むべき目標としては、IRAの上限まで積み立てることだ。IRAの年間上限は6000ドルなので、ジェシカは月500ドル、積み立てる必要がある。

忘れてはいけないのが、老後に向けた投資と並行して、低金利の借金も完済すべきだということ。そこでジェシカは、クレジットカードの最後の借金を完済し、退職口座の上限まで拠出したら、学生ローンを早めに完済することにする。その配分はこんな感じだ。

◆必要経費2500ドル
◆IRAに500ドル、学生ローンの返済に175ドルを追加
◆趣味や娯楽に825ドル

当面の間は、ジェシカにとってこれがちょうどいい。そこまで切り詰めずに、お金の目標を達成できる見込みだ。

当然ながら、パーソナルファイナンスは、個人的なものだ。もしかしたらあなたにとっては、引退に備えた目標額に早く到達することが、趣味や娯楽に費やす金額が大きいことより大切かもしれない。

実際に、投資額を引き上げてそこからの収入で生活することで、早期退職を目指す人たちのコミュニティもある。Financial Independence, Retire Early(経済的自立および早期リタイア)の略語から、FIREムーブメントと呼ばれている。

※第1回はこちら:投資は「20年」乗り切れば「負け」はない?...少額でも「今すぐ」投資を始めるべき「たった1つの理由」


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著者


トリ・ダンラップ(Tori Dunlap)

世界的なお金の専門家であり、ビジネス・ポッドキャスト人気ナンバー1の「ファイナンシャル・フェミニスト(Financial Feminist)」の司会。グッドモーニングアメリカなど多くのメディアに登場し、CNBCに「金銭的な自信を女性に与える声」と称され、これまでに300万人以上の女性たちを、給与の交渉、借金の完済、貯蓄の構築、投資でサポートしてきた。

監修者

安藤真由美

エグゼクティブコーチ・コンサルタント・投資家。国内外の金融機関等で22年勤務後にブリリアントライフ代表として独立。ファンドマネージャーやアナリストとしての実務経験を活かして経営層向けのコーチングや経営相談を行う。著書に『お金の知識があるだけであなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』(日経BP)。

翻訳者

松丸さとみ

翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで6年強を過ごす。主な訳書に『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP)、『THE FOREVER DOG 愛犬が元気に長生きするための最新科学』(ユーキャン)、『「人生が充実する」時間のつかい方』(翔泳社)などがある。


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