スーパーマンが「明るいヒーロー像」を引っ提げて帰ってきた! 立ち向かうのは現代社会の世相?
Superman the Interventionist
不気味に現実と重なる
テレビドラマやアニメにもなり、78年にはリチャード・ドナー監督、クリストファー・リーブ主演の映画『スーパーマン』が公開されて、世界に再びこのスーパーヒーローを知らしめた。
キャストの名演、特殊効果、ジョン・ウィリアムズによる壮大な音楽に昔ながらのストーリーが相まって映画は大ヒットし、世界で3億㌦を超える興行収入を上げた(現在の価値に換算すると15億㌦近い)。続編も3本作られた。
世界で愛されなければ、より大きな成功は望めない。2021年、DCコミックスのチーフ・クリエーティブ・オフィサーを務めるジム・リーは、モットーを「真実、正義、そしてよりよい明日」に変更すると発表した。
「アメリカ・ファースト」の信奉者は嘆いたかもしれないが、商品を世界に売り込む出版元や映画会社の判断としては理解できる。
超大作でも、巨大市場中国で公開されなければ痛手は大きい。中国政府の求める修正を拒否したため、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』や『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は中国で公開を禁止された。一方、今回の『スーパーマン』はアメリカと同じ7月11日に封切られた。