最新記事
英王室

「宮殿は我慢ならない」王室ジョークにも余裕の笑み、日陰の存在だったカミラ王妃の「素顔」に迫る

FOR DUTY, FOR LOVE

2025年4月9日(水)14時30分
ジャック・ロイストン(英王室担当)

深い共感と結び付いた情熱

19年にもカミラの訪問があったと、ダグラスは続ける。

「スウィンドンの里親家庭と会うことになった。子供と家族の安全確保のため非公開の訪問になった。彼女はハイグローブ(王室が所有する田舎の邸宅)からたくさんの贈り物を携えて来て、本も届けた。単なる読書への情熱ではなく、家族への深い共感と結び付いた読書への情熱だ」


ナショナル・リテラシー・トラストは学校に1500の図書室を開設しているが、カミラはトラストの活動で刑務所も訪れており、受刑者たちと図書室で語り合ったこともある。

チャールズが即位して以来、イギリス国内外で君主制廃止論が高まり、抗議活動が増えている。ミドルズブラ訪問も例外ではなかった。

チャールズとカミラが「散歩」をする間、警察官は少人数で声を張り上げる抗議者たちを遠ざけた。もっとも、王室の支持者のほうがはるかに多く、2人は多くの人と握手を交わして短い会話を楽しんだ。

ローナ・グラフトンという女性の前で立ち止まった2人は、彼女の100歳の誕生日を祝福した。チャールズは「私たちからです」と言って、君主が節目の年齢になった臣下に贈るカードを差し出した。

2人を乗せた車が出発しようとしたとき、カミラは群衆の中に見覚えのある顔に気付いた。30年ほど前から王室を追いかけているグラスゴー出身のシーラ・クラーク(67)は、国王と王妃をひとめ見るためだけに友人とスコットランドから約300キロを旅してきた。

「彼女はわざわざ車を降りてきてくれた。グラスゴーやロンドンなど、いろいろなところで私たちを見かけていたから。私たちに挨拶したかったと言ってくれた」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

EU、自動車業界の圧力でエンジン車禁止を緩和へ

ビジネス

午前の日経平均は続落、米雇用統計前の警戒ムード 一

ビジネス

経済同友会の代表幹事に山口・日本IBM社長、新浪氏

ワールド

台湾総統、財政関連法改正に反対 野党主導の議会と溝
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 7
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 8
    「職場での閲覧には注意」一糸まとわぬ姿で鼠蹊部(…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中