最新記事

映画

F1映画『ラッシュ』は熱くスリリング

2014年2月12日(水)15時04分
大橋 希(本誌記者)

© 2013 RUSH FILMS LIMITED/EGOLITOSSELL FILM AND ACTION IMAGE.ALL RIGHTS RESERVED.

© 2013 RUSH FILMS LIMITED/EGOLITOSSELL FILM AND ACTION IMAGE.ALL RIGHTS RESERVED.


 いい例が、富士スピードウェイでのレースだと思う。あれだけ特別で、感動的で、はらはらさせられるクライマックスを説得力もって描くことができるのも、実際に起きたことだからだ。

『アポロ13』で面白い話があるんだ。僕が初めて実話に基づいて作った映画だが、内覧試写でアンケートを取ったところ非常に好評だった。でも、ある23歳の男性が酷評していて、「エンディングについてご意見をお願いします」という欄に「ハリウッドのひどい嘘っぱちだ。彼らが生存できるわけがない」と、でかでかとした字で書いてあった。でも実話なんだから、嘘じゃないんだよ!

──『ラッシュ』の企画が持ち上がった当初、あなたはF1のファンではなかったというし、F1自体もメジャースポーツではない。それでも面白い話になると思ったのはなぜか。

登場人物が魅力にあふれ、個性的だと思ったから。物語の背景となる70年代のカルチャーにもすごく引かれた。自由奔放で大胆で、セックス革命が起こり、あの時代特有のロマンがあった。

それにテクノロジーの発展で以前なら無理だったような、臨場感があってスリルに満ちたレース映像が撮れるとも思った。キヤノンの小型カメラを初めて使用したけど、本当に性能がよかった。

──レースシーンがとにかく圧巻だが、CGをかなり使った?

 イエス。ただ、当初予想していたよりも実写を多く使った。というのも、かつてラウダやハント、マリオ・アンドレッティが実際に運転していた車を貸してもらうことができたからね。それらのレプリカも造ったが、本物も使っているから、それらに見劣りしないようにということでリアル感の基準値がものすごく高くなった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、4月も50超え1年ぶり高水準 

ビジネス

独サービスPMI、4月53.2に上昇 受注好調で6

ワールド

ロシア、軍事演習で戦術核兵器の使用練習へ 西側の挑

ワールド

サウジ6月原油販売価格、大半の地域で上昇 アジア5
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中