最新記事
EV

失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料高騰問題」の深層

Tesla Insurance Costs Could Surge Amid Anti-Elon Musk Vandalism

2025年3月17日(月)14時10分
ジュリア・カルボナーロ

テスラの低迷は続くのか?

テスラが受けている打撃は評判の悪化だけではない。EV市場の競争が激化し、同社は従来の大手自動車メーカーだけでなく、中国のBYDのようなEV専門メーカーとの競争にも直面している。

しかし、テスラの急激な低迷は、マスク氏がトランプ政権で果たしている役割と無関係ではないと指摘する声もある。Cars.comの最新データによると、トランプ氏がホワイトハウスに復帰して以来、中古EV市場が大きく変化している。

現在、米国では中古EVを購入しようとする人々が、前年より31%多い選択肢を持つようになったが、その一方で、テスラ以外のEVを探す傾向が強まっている。

Cars.comによると、テスラ以外のEVの需要は前年比で28%増加しているのに対し、テスラの中古車検索数は先月比で16%減少している。これは、テスラの中古車価格が6.6%下落しているにもかかわらず起きている現象だ。

新車市場でも同様の傾向が見られる。Cars.comの調査では、EV全体の検索数は前年比25%増加したが、テスラ車を避ける動きが顕著になっているという。研究者らは、バイデン政権が導入した7500ドルの連邦EV税額控除がまだ適用されるうちに購入を決めようとしている可能性があり、トランプ政権による政策変更を警戒していると分析している。

ブラノン氏は、テスラが慎重な購入者を引き付けるために、さらなる値下げを余儀なくされる可能性があると指摘している。

「テスラはすでにサイバートラックとモデル3の価格を引き下げている」と彼は述べた。「中古テスラの平均価格は過去1年で7.8%下落しており、これは中古車市場全体の平均下落率(2.7%)の約3倍の速さだ」。

さらに彼は、「2023年から2024年にかけて、同社の販売台数は6%減少した。もし需要が低迷し続ければ、テスラはさらなる値下げや、0%金利ローンなどのインセンティブを拡大する可能性がある」と分析している。

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中