最新記事
BOOKS

朝日新聞の名文記者が「多読」を自慢しない理由【勉強法】

2024年7月24日(水)07時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
積み上げた本

wytrazek-pixabay

<コミュニケーション能力を伸ばすには読書だが、効果的に成長するための究極のツールとは?>

朝日新聞の名物記者として知られる近藤康太郎氏のもとには、〈仕事〉の方法を学ぼうと若い記者が集まる。その場では〈仕事〉のみならず〈勉強〉の仕方が指導される。

組織、ひいては社会で、自分がしたい仕事をさせてもらえるようになるには、〈勉強〉と〈遊び〉こそ真剣にしなくてはならない。そして、多くのひとが言語コミュニケーションを駆使して〈仕事〉をする現代において、〈勉強〉とは本を読むことである。

〈仕事〉〈勉強〉〈遊び〉の三要素を磨く理由と、三要素がご機嫌な人生に結びついていくプロセス書いた『ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論』(CCCメディアハウス)より、誰でも真似できる〈勉強〉法を取り上げる。

◇ ◇ ◇

「年間百冊以上、読んでいる」は自慢にならない

〈勉強〉として文字を読むならば、紙の「本」に限ります。電子書籍や、新聞、雑誌、ネットにユーチューブ、SNSじゃだめなんです。

本は、遅い。本は、高い。難しい。分からない。そう思っている人は、ぜひ、前著の『百冊で耕す』を読んでほしい。本は、いちばん手軽で、いちばん速く読める。安い。難しいかもしれないけれど、「分からない」でもいいんです。いや、分からなくさせるのが、本の真骨頂です。

〈勉強〉は、紙の本に限る。理由は、前著にくわしく書いてあります。ここではその方法論を要約して書くと、①海外文学②日本文学③社会科学もしくは自然科学④詩集の四ジャンルの「古典」を、一日十五分、合計で一時間、読む。毎日読む。これです。「古典」とはなにもアリストテレスや源氏物語だけではなく、「死んだ人」の作品ならば「古典」としてとらえてよい、としましょう。ゲームのルール。

紙の本も、漫然と読んでいればいいわけではない。「年間百冊以上、読んでいる」と自慢する人がいますが、おそらくそれは、読みやすい本、自分の頭に入ってくる本を読んでいるんじゃないでしょうか。言い換えれば、すでに知っていることを読んでいる。

まさかと思うけれど、ドゥルーズや西田幾多郎やアインシュタインの本を、一日一冊ペースで読めるわけではないですよね。そんな人って、世界にいるんでしょうか?ですから、年間に百冊も読める人は、読む本を変えたほうがいいです。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

物価目標の実現は「目前に」、FRBの動向を注視=高

ビジネス

FRB監督・規制部門責任者が退職へ、早期退職制度で

ビジネス

午前の日経平均は小幅続落、売買交錯で方向感出ず 米

ワールド

WHO、砂糖入り飲料・アルコール・たばこの50%値
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索隊が発見した「衝撃の痕跡」
  • 3
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 4
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 5
    米軍が「米本土への前例なき脅威」と呼ぶ中国「ロケ…
  • 6
    熱中症対策の決定打が、どうして日本では普及しない…
  • 7
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 10
    「22歳のド素人」がテロ対策トップに...アメリカが「…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 6
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中