最新記事
キャリア

職場では「あえて負ける」──長い目で見ればプラスになる理由について

2023年5月24日(水)12時52分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
職場

kokouu-iStock

<Google米国本社に勤務する主席UXデザイナーは47歳で入社した、韓国出身の女性。妥協を迫られても納得できる仕事をするために、覚えておきたいこととは?>

Googleの入社志願者は年間330万人。誰もが知る世界的企業の本社でトップに昇りつめたのは天才でも自信家でもない、しかも英語がネイティブでもない、47歳で入社したとても謙虚な韓国人女性だった。

仕事で妥協しなくていけないとき、何をどう譲歩したらいいのだろうか。「やるべきこと」と「やらないこと」について『悩みの多い30歳へ。世界最高の人材たちと働きながら学んだ自分らしく成功する思考法』(CCCメディアハウス)より抜粋。

◇ ◇ ◇

仕事で妥協が必要になったときは、どこまで、何を、どのように譲歩すべきなのか、そして避けたほうがいいことは何なのか。妥協点を見つけるコツについてお話ししたいと思う。

やるべきこと

自社の収益構造を理解する

ザラで働いているのに「私たちはどうしてシャネルみたいな高級品を作れないんだろう」と悩んでいるとしたら、会社ではなく、自分がどんな会社に勤めているのかを把握できていない社員のほうに問題がある。

30万ウォンのスマートウォッチを作るときに、数億ウォンを軽く超えるパテック フィリップの時計を引き合いに出すのは、目的地を間違えてさまよっているようなもの。

ファストファッションの会社に勤務しているなら、自社製品のポジショニングと消費者層を狙ったデザインを生み出すことが最も重要だ。高級品のデザインをしたいなら、ラグジュアリーブランドに転職したほうがいい。

グーグルやフェイスブックの主な収入源は広告である。一般ユーザーが支払うお金でビジネスが回っているわけではないから、全面的に広告主が優先されるのは当然だ。高級感のある精巧な出来ばえより、クリック数を増やすためのアルゴリズムが重視される。

戦略的妥協のためには、何よりも自分の勤務する会社がどういう仕組みで収益を得ているのかを知っておかなくてはいけない。会社のビジョンが自分の哲学とどこまで一致するか、それが妥協のスタートラインになる。

全体像をつかむ

製品企画から発売後の顧客管理に至るまで、UXデザイナーが関与しないプロセスはない。

広告や説明書、アフターサービスセンターなど、ユーザーエクスペリエンスに影響を及ぼさないものはないから、この世で最も出しゃばるべき職業はUXデザイナーではないかと思う。

だからこそ、部分的なデザインだけでなく、全体的な流れを把握しておきたい。携帯電話の機能の中で、問題になりやすいものを選ぶとしたら断然「設定」アプリだ。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円が軟化、介入警戒続く

ビジネス

米国株式市場=横ばい、AI・貴金属関連が高い

ワールド

米航空会社、北東部の暴風雪警報で1000便超欠航

ワールド

ゼレンスキー氏は「私が承認するまで何もできない」=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中