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個人情報が筒抜け「ウーバー」の落とし穴

2014年11月27日(木)18時03分
ポリー・モセンズ

 また、ニューヨークではタクシー・リムジン協会(TLC)に提出する乗車記録に乗客のフルネームが必要なため、ウーバーのドライバーはアプリ上で乗客の氏名を確認できる。TLCが規則を変えない限り、ウーバーは乗客を匿名化できない。

 あるドライバーによれば、ドライバー側が送迎をキャンセルするときでさえ、乗客の氏名や現在地、ダミーの番号を確認できるという。実際に送迎しなくても乗客の自宅を突き止めることだって可能だ。

 ドライバーから乗客に連絡できるのは降車後30分間だけだが、乗客からはそれこそ半永久的にドライバーへ電話できる。車内での忘れ物対応のためだ。

 忘れ物を素早く届けられるのはいいが、すべてのドライバーがこのシステムを支持しているわけではない。降車後に乗客から料金が高過ぎるとクレームを受けたドライバーもいる。ウーバーでは乗客がドライバーを評価するため、嫌な客も下手にあしらえない。評価が下がれば契約を解除されかねないからだ。

 社員の再教育に配車システムの改善──絶好調だからこそたたかれやすいのかもしれないが、穴はまだ小さいうちに塞いだほうがいい。

[2014年12月 2日号掲載]

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