コラム

ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険

2025年01月15日(水)13時40分

これはカリフォルニアの政治にも影響を与えると思います。今回の大被害は、一種の人災だとしてトランプ陣営は、ニューサム知事以下、民主党によるカリフォルニアの州政への批判を強めています。そんな中で、女性消防総監だから防火と鎮火に失敗したなどという差別的な言いがかりも横行しています。それはともかく、一連の経緯、そして共和党サイドの批判を受けて、ニューサム知事や、同じくカリフォルニアの民主党政界を代表するカマラ・ハリス氏の全国的な人気が傷付いたのは間違いありません。

ですから、今回の山火事によって2026年の中間選挙や、2028年の大統領選への影響が起きるのは避けられないでしょう。次のカリフォルニア州知事選挙は2026年で、現職のニューサム氏は2期の任期満了となって再選には出られません。では、そこで共和党が知事の座を奪還できるかというと、そう簡単ではないと思います。例えば、この火災保険の問題について「保険会社は守る」「公的保険への税金の投入は拡大しない」というような政策を取ると、有権者がソッポを向くこともあり得るからです。

とりあえず、この悲惨な大火は「カリフォルニア民主党」を更に退潮へ追い込んでいるのは間違いないと思います。ですが、やがて発生すると思われる火災保険に関する論争については、共和党にも難題になると思います。


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プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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