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【写真特集】命をかけた旅の結末 法の名の下に拘束される移民たち
IN THE NAME OF THE LAW
Photographs by Nicolò Filippo Rosso
法廷の外でICEに拘束されたエクアドル出身の47歳のシクストは、後に弁護士の要請で釈放され、難民と認められた。彼のようなケースはまれだ
<米ニューヨーク・マンハッタンのフェデラル・プラザにある移民裁判所の廊下で、長い列を作る移民たち。滞在許可のハードルは高く、防弾チョッキと銃を身につけた覆面の捜査官たちが彼らを拘束していく>
静まり返った裁判所の廊下から、次々と移民が連行されていく。ニューヨーク・マンハッタンの移民裁判所では、一時保護資格(TPS)で入国したか、国境で亡命を申請し制度に従い審問に訪れた人々が、裁判官の決定にかかわらず拘束されている。
移民関税執行局(ICE)の作戦を執行するのは、税関・国境取締局や外交保安局、FBIなどの捜査官。逮捕された移民は、ある者は遠く離れた拘置所に送られ、ある者は本国に強制送還される。
写真家ニコロ・フィリッポ・ロッソは、2025年6月以降ほぼ毎日、マンハッタンの移民裁判所に通いカメラを構えた。そこに写し出されたのは、移民の命懸けの旅を締めくくるにはあまりに悲惨な現実だ。
防弾チョッキと銃を身に着けた覆面の捜査官が移民を取り囲み、引きずっていく。子供は泣き、親子や配偶者は引き裂かれる。厳格な国境管理を求める声と人道的対応を求める声は衝突し、国内の亀裂は拡大する一方。恐怖をあおる政治に翻弄され、アメリカの民主主義も危険にさらされている。
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Photographs by Nicolò Filippo Rosso
撮影:ニコロ・フィリッポ・ロッソ
1985年イタリア生まれ。中東、アフリカ、南北アメリカなどの疎外された脆弱なコミュニティー、移民危機、紛争、気候変動をテーマに活動するドキュメンタリー写真家。被写体に対する深い理解を、写真を見る人々と共有することを目指す
【連載第1012回】Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」2025年12月23日号掲載
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