Picture Power

【写真特集】命をかけた旅の結末 法の名の下に拘束される移民たち

IN THE NAME OF THE LAW

Photographs by Nicolò Filippo Rosso

2026年01月16日(金)11時50分
外国人

法廷の外でICEに拘束されたエクアドル出身の47歳のシクストは、後に弁護士の要請で釈放され、難民と認められた。彼のようなケースはまれだ

<米ニューヨーク・マンハッタンのフェデラル・プラザにある移民裁判所の廊下で、長い列を作る移民たち。滞在許可のハードルは高く、防弾チョッキと銃を身につけた覆面の捜査官たちが彼らを拘束していく>

静まり返った裁判所の廊下から、次々と移民が連行されていく。ニューヨーク・マンハッタンの移民裁判所では、一時保護資格(TPS)で入国したか、国境で亡命を申請し制度に従い審問に訪れた人々が、裁判官の決定にかかわらず拘束されている。

移民関税執行局(ICE)の作戦を執行するのは、税関・国境取締局や外交保安局、FBIなどの捜査官。逮捕された移民は、ある者は遠く離れた拘置所に送られ、ある者は本国に強制送還される。

写真家ニコロ・フィリッポ・ロッソは、2025年6月以降ほぼ毎日、マンハッタンの移民裁判所に通いカメラを構えた。そこに写し出されたのは、移民の命懸けの旅を締めくくるにはあまりに悲惨な現実だ。

防弾チョッキと銃を身に着けた覆面の捜査官が移民を取り囲み、引きずっていく。子供は泣き、親子や配偶者は引き裂かれる。厳格な国境管理を求める声と人道的対応を求める声は衝突し、国内の亀裂は拡大する一方。恐怖をあおる政治に翻弄され、アメリカの民主主義も危険にさらされている。


次ページ:<フォト・ルポルタージュ>命をかけた旅の結末 法の名の下に拘束される移民たち2

Photographs by Nicolò Filippo Rosso

撮影:ニコロ・フィリッポ・ロッソ 
1985年イタリア生まれ。中東、アフリカ、南北アメリカなどの疎外された脆弱なコミュニティー、移民危機、紛争、気候変動をテーマに活動するドキュメンタリー写真家。被写体に対する深い理解を、写真を見る人々と共有することを目指す

【連載第1012回】Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」2025年12月23日号掲載

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、テキサス州空港の発着禁止を解除 カルテル無人機

ビジネス

1月米雇用、13万人増と予想大幅に上回る 失業率4

ビジネス

中国、仏の対中関税提言に反発 対抗措置示唆

ワールド

ハイネケン、最大6000人削減へ ビール需要低迷
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 5
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 6
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 9
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story