コラム

就任のはるか前から「ブレブレ」だった石破首相...今後を占う「野球」エピソードとは?

2024年11月01日(金)17時38分

「正直・公正」をキャッチフレーズにすると怒られる状況ってすごかったなぁと思い出していたら興味深いことが国会であった。10月の松山政司・参議院幹事長の代表質問である。

松山氏は石破氏が選ばれた総裁選は「わが党の伝統である自由闊達さと、公正公平さにあふれて」いたと自賛。その上で「今月26日が命日となる参議院自民党幹事長であった吉田博美先生」の名を出した。吉田氏は日頃から誰にも公平で常に全員野球をモットーにしていたと振り返る。


私は松山氏の言葉を聞いて吉田氏の名を思い出した。先述の18年総裁選で大活躍していたからだ。石破氏が「正直・公正」を掲げたとき、クレームを入れたのが彼だったのだ。

18年8月24日の毎日新聞には石破氏の件(くだん)の発言に対し、参院竹下派を仕切る吉田氏は「個人的なことで攻撃することには非常に嫌悪感を感じている」と「苦言を呈した」とある。

当時の吉田氏は安倍氏とかなり近かったが、総裁選では石破氏支持だった。吉田氏の師匠、青木幹雄氏の意向をくみ、参院竹下派は石破氏支持だったからだ。吉田氏はいわば板挟み状態だった。

18年8月の産経新聞には安倍氏からの電話に吉田氏が「石破氏には『反安倍を掲げて総裁選をやるなら支持できない』と言ってやるつもり」と答えたとある。

プロフィール

プチ鹿島

1970年、長野県生まれ。新聞15紙を読み比べ、スポーツ、文化、政治と幅広いジャンルからニュースを読み解く時事芸人。『ヤラセと情熱 水曜スペシャル「川口浩探検隊」の真実』(双葉社)、『お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした!』(文藝春秋)、『芸人式新聞の読み方」』(幻冬舎)等、著作多数。監督・主演映画に『劇場版センキョナンデス』等。 X(旧Twitter):@pkashima

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米アマゾンプライム会員登録、イベント拡大でも低迷=

ワールド

再送トランプ氏、シカゴへの州兵派遣を明言 知事「政

ビジネス

ブラジルGDP、第2四半期は0.4%増

ワールド

米軍、カリブ海でベネズエラ発の船舶攻撃 麻薬積載=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 5
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨッ…
  • 6
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 7
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 8
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 9
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 10
    トランプ関税2審も違法判断、 「自爆災害」とクルー…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 9
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story