コラム

【保存版】平成30年間の新卒採用:人気企業、求人倍率、新入社員タイプ...

2019年04月24日(水)19時00分

平成15~17年:経団連が就活ルールの倫理憲章へのサインを求めた

なかなか守られない就活ルールを守らせようと、日本経済団体連合会(経団連)は倫理憲章にサインを求め、加盟1280社の半数である644社が署名した。その効力は2005年卒からの適用となる。自由に早期から動く外資やコンサル企業に、動けない署名企業は苛立ちを覚えた。

人気企業ランキングでは、トヨタ自動車や本田技研工業など、自動車メーカーが上位の定番になる。

matsuoka190424-ch15.pngmatsuoka190424-ch16.pngmatsuoka190424-ch17.png

平成18~20年:新卒採用が再び熱を帯び始め、若者の転職も増加

大卒求人倍率は、また上がり始める。平成20年卒では2倍を超え、採用競争が加熱し始める。同時にこの時代には、新卒の就活で希望の会社に入れず、転職活動を始める人が増えていった。

大卒の3年目までの離職率が3割と、よく話題になる。直近のデータでは、平成27年卒の実数は31.8%である。この割合は近年になって徐々に高くなり、その結果、現在3割近くになっていると思っている人も多いが、実はこの頃のほうがもっと高かった。

平成11年卒~平成18年卒までは34%を越えており、順に34.3%、36.5%、35.4%、34.7%、35.8%、36.6%、35.9%、34.2%となっている。新卒の求人倍率が低く就活に苦しんだ年代だ。完全失業率は依然と高いので、転職も簡単ではない時代だが、理想を求めて職場を変わった人も多かったのだ。

3年目までの離職率は、平成19年卒で31.1%と下がる。平成21年卒の場合、28.8%まで下がる。この年は新卒求人倍率が2.14倍と高く、比較的満足のいく会社に入れたことと、またリーマン・ショックや東日本大震災の影響もあり、転職がしにくかったという事情によるものだろう。

人気企業ランキングでは、サントリーや資生堂が上位に登場する。

matsuoka190424-ch18.pngmatsuoka190424-ch19.pngmatsuoka190424-ch20.png

平成21~22年:リーマン・ショックの影響で完全失業率は5.1%に

リーマン・ショックの影響で、雇用環境は急速に悪化してゆく。人事は採用よりも、いかに人を減らすかに苦心した時代だ。大卒の求人倍率は高いが、新卒の場合には時差がある。実際には、内定は出したが、採用する余力がなくなった企業による内定切りも起こった。

人気企業ランキングでは、この前後から資生堂が文理で、パナソニックが理系で上位に入り始める。

matsuoka190424-ch21.pngmatsuoka190424-ch22.png

プロフィール

松岡保昌

株式会社モチベーションジャパン代表取締役社長。
人の気持ちや心の動きを重視し、心理面からアプローチする経営コンサルタント。国家資格1級キャリアコンサルティング技能士の資格も持ち、キャリアコンサルタントの育成にも力を入れている。リクルート時代は、「就職ジャーナル」「works」の編集や組織人事コンサルタントとして活躍。ファーストリテイリングでは、執行役員人事総務部長として同社の急成長を人事戦略面から支え、その後、執行役員マーケティング&コミュニケーション部長として広報・宣伝のあり方を見直す。ソフトバンクでは、ブランド戦略室長、福岡ソフトバンクホークスマーケティング代表取締役、福岡ソフトバンクホークス取締役などを担当。AFPBB NEWS編集長としてニュースサイトの立ち上げも行う。現在は独立し、多くの企業の顧問やアドバイザーを務める。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、金利の選択肢をオープンに=仏中銀総裁

ワールド

ロシア、東部2都市でウクライナ軍包囲と主張 降伏呼

ビジネス

「ウゴービ」のノボノルディスク、通期予想を再び下方

ビジネス

英サービスPMI、10月改定値は52.3 インフレ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story