ロシアが計画の中国向けガスパイプライン、本格稼働に10年要す=業界筋

Russian President Vladimir Putin speaks with CEO of Gazprom company Alexei Miller as he visits Lakhta Centre business tower in Saint Petersburg, Russia June 5, 2024. Sputnik/Konstantin Zavrazhin/Pool via REUTERS
[モスクワ 7日 ロイター] - ロシアは最近、中国との間で新たな天然ガスパイプラインに関する協議が進んでいると明らかにしたが、業界関係者によると、このパイプラインが完成して中国向けガス輸出が大幅に拡大するには少なくとも10年を要する見込みだ。
ロシアの国営ガス会社ガスプロムのアレクセイ・ミレル最高経営責任者(CEO)は、ロシアのプーチン大統領による先月の訪中時に大規模な新パイプライン「シベリアの力2」の建設に関する「法的に拘束力のある」覚書への調印が行われたと述べた。
新パイプラインは北極圏のヤマル地域からモンゴルを経由して年最大500億立方メートルのガスを供給する計画で、ロシアとドイツを結ぶ天然ガス海底パイプライン「ノルドストリーム」に匹敵する規模となる見込み。しかし交渉が数年にわたって続いているにもかかわらず、価格設定や投資条件、供給開始時期など主要な項目でまだ合意に至っていない。
業界関係者2人によると、新パイプラインは仮に来年合意がまとまったとしても、建設と供給開始までに約5年、供給量の拡大にはさらに5年が必要だという。
また事情に詳しい関係者1人によると、供給開始が2032年以降となる場合、輸送量が能力の半分に達するのは34年ないし35年頃になるとガスプロムは見込んでいる。
オックスフォード・エネルギー研究所のアナリストも先月発表したリポートで「シベリアの力2」について、「26年末までに最終合意が成立すれば、30年末または31年に供給が開始され、35年1月1日までに本格的な増産段階に達する可能性がある」と予測し、先の消息筋とほぼ同じ見通しを示した。