ニュース速報
ワールド

ロシアが計画の中国向けガスパイプライン、本格稼働に10年要す=業界筋

2025年10月08日(水)14時12分

Russian President Vladimir Putin speaks with CEO of Gazprom company Alexei Miller as he visits Lakhta Centre business tower in Saint Petersburg, Russia June 5, 2024. Sputnik/Konstantin Zavrazhin/Pool via REUTERS

[モスクワ 7日 ロイター] - ロシアは最近、中国との間で新たな天然ガスパイプラインに関する協議が進んでいると明らかにしたが、業界関係者によると、このパイプラインが完成して中国向けガス輸出が大幅に拡大するには少なくとも10年を要する見込みだ。

ロシアの国営ガス会社ガスプロムのアレクセイ・ミレル最高経営責任者(CEO)は、ロシアのプーチン大統領による先月の訪中時に大規模な新パイプライン「シベリアの力2」の建設に関する「法的に拘束力のある」覚書への調印が行われたと述べた。

新パイプラインは北極圏のヤマル地域からモンゴルを経由して年最大500億立方メートルのガスを供給する計画で、ロシアとドイツを結ぶ天然ガス海底パイプライン「ノルドストリーム」に匹敵する規模となる見込み。しかし交渉が数年にわたって続いているにもかかわらず、価格設定や投資条件、供給開始時期など主要な項目でまだ合意に至っていない。

業界関係者2人によると、新パイプラインは仮に来年合意がまとまったとしても、建設と供給開始までに約5年、供給量の拡大にはさらに5年が必要だという。

また事情に詳しい関係者1人によると、供給開始が2032年以降となる場合、輸送量が能力の半分に達するのは34年ないし35年頃になるとガスプロムは見込んでいる。

オックスフォード・エネルギー研究所のアナリストも先月発表したリポートで「シベリアの力2」について、「26年末までに最終合意が成立すれば、30年末または31年に供給が開始され、35年1月1日までに本格的な増産段階に達する可能性がある」と予測し、先の消息筋とほぼ同じ見通しを示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ポルトガル中銀、25年GDP見通し上方修正 個人消

ビジネス

日経平均は5日ぶり反落、急上昇の反動で利益確定売り

ワールド

ベトナム株が最高値、FTSEによる「新興市場」昇格

ビジネス

日産、日本向け新型リーフの航続距離は最長700キロ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示す新たなグレーゾーン戦略
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女性を襲った「まさかの事件」に警察官たちも爆笑
  • 4
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 7
    【クイズ】イタリアではない?...世界で最も「ニンニ…
  • 8
    「それって、死体?...」新婚旅行中の男性のビデオに…
  • 9
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 10
    インフレで4割が「貯蓄ゼロ」、ゴールドマン・サック…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 5
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 8
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 9
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 10
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中