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CDC前所長、ケネディ長官がワクチン接種変更の検証前承認を要求と証言

2025年09月18日(木)14時03分

米疾病対策センター(CDC)所長を解任されたモナレズ氏(写真)は9月17日の米議会上院委員会の公聴会で、自身が解任された2日前にケネディ厚生長官が小児ワクチン接種スケジュールを変更する計画を明らかにしていたと証言した。ワシントンで同日撮影(2025年 ロイター/Elizabeth Frantz)

Ahmed Aboulenein Leah Douglas Bo Erickson

[ワシントン 17日 ロイター] - 米疾病対策センター(CDC)所長を解任されたモナレズ氏は17日の米議会上院委員会の公聴会で、自身が解任された2日前にケネディ厚生長官が小児ワクチン接種スケジュールを変更する計画を明らかにしていたと証言した。

ワクチン政策を巡ってケネディ氏と対立後、モナレズ氏は就任後わずか29日間の8月28日にトランプ大統領によってCDC所長を解任された。ケネディ氏がモナレズ氏の解任についてホワイトハウスと何度か話し合っていたことも明らかにした。

モナレズ氏は、ケネディ氏が科学的証拠を検証する前に変更を承認することを要求し、現在のスケジュールを裏付ける証拠はないと話していたと訴えた。また、政府のワクチン政策に助言する諮問委員会の勧告を全面的に承認するよう求め、解任前にはモナレズ氏の政策と人事に関する決定について、自身の政治スタッフからの承認を受けるように要求したと説明した。

モナレズ氏の証言によると、ケネディ氏は8月25日にモナレズ氏に対して「小児ワクチン接種スケジュールは9月に間違いなく変更される」と伝えた。

モナレズ氏は支持する根拠があれば小児ワクチン接種スケジュールの変更には前向きだったものの、全面的な承認を約束することはできないと伝達。これに対し、ケネディ氏は「小児ワクチン接種スケジュールに関連する科学や証拠は存在しない」とし、変更への承認を約束できないなら辞任すべきだと迫ってきたという。

ケネディ氏は9月4日の上院財政委員会公聴会で、モナレズ氏に事前承認を命じたことを否定した。

保健福祉省は、小児ワクチン接種スケジュールの変更は科学的根拠に基づくとし、モナレズ氏がケネディ氏とのやり取りをねじ曲げたと主張。報道担当者は「モナレズ氏は数十年にわたる官僚的な停滞、政治化された科学、任務の拡大が目的をむしばみ、国民の信頼を損なった後にCDCを中核的使命に回帰させる任務を課されたが、それを拒否したため大統領が解任した」とコメントした。

米国の公衆衛生専門家や医師らは、ワクチン使用縮小政策が米国人に害を及ぼすとしてケネディ氏の辞任を求めている。モナレズ氏の解任後、批判がさらに強まっている。

ロイター
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