パキスタン成長率、25年度は2.7%の見込み 農業低迷が伸び抑制

6月10日 パキスタン政府が9日に発表した年次経済指標によると、2025会計年度(6月まで)における経済成長率は2.7%となったとみられている。写真は2023年4月、パキスタン南部カラチで撮影(2025年 ロイター/Akhtar Soomro)
[イスラマバード 9日 ロイター] - パキスタン政府が9日に発表した年次経済指標によると、2025会計年度(6月まで)における経済成長率は2.7%となったとみられている。前年度は2.5%だった。
当初は3.6%を目標としていたが、先月引き下げた。
国際通貨基金(IMF)は、今年度の成長率を2.6%、来年度は3.6%と予想している。
政府は、投資促進、基礎的財政黒字の維持、インドとの緊張が高まる中での国防費管理などの優先事項を抱えながら、来年度の成長目標を4.2%に設定している。
ムハンマド・アウラングゼーブ財務相は、過去に輸入急増を招いたとして経済の急速な拡大は望んでいないと述べた。
25年度の成長率は、大規模製造業の生産減と主要作物の不作で抑制された。農業部門の成長率は0.6%と、悪天候の影響で9年ぶり低水準となった。
国内証券会社のトップライン・セキュリティーズは、25年度成長率の2.7%は長期平均4.7%を大きく下回る水準と指摘。鉱工業生産に関する見通しが楽観的なことから下方修正される可能性が高いとの見方を示した。