ドイツ裁判所、難民申請者の入国拒否は違法と判断 政府方針と対立

ドイツ・ベルリンの裁判所は2日、ポーランドからの難民申請者の入国を拒否した国境警備当局の対応は違法との判断を下した。写真はポーランドとの国境を警備するドイツ連邦警察(2025年 ロイター/Michele Tantussi)
[ベルリン 2日 ロイター] - ドイツ・ベルリンの裁判所は2日、ポーランドからの難民申請者の入国を拒否した国境警備当局の対応は違法との判断を下した。メルツ首相率いる保守連立政権が掲げる難民の流入に厳しい態度で臨む方針と対立する判決となった。
難民申請をしたのは男性2人、女性1人のソマリア人。国境警備当局は3人が安全な国から入国を申請したとしてポーランドに送り返した。
裁判所はこうした対応について、欧州連合(EU)圏に最初に入国した国が難民認定の責を負うことを定めた「ダブリン協定」に則って処理すべきで、入国拒否は違法だったと指摘した。
公共放送RBBが裁判所の広報担当者の話として伝えたところによると、裁判所が国境警備当局の難民申請者の入国拒否を違法と判断したのは今回が初めて。
ドブリント内相は記者団に「難民申請制度が極めて機能不全に陥っているのは自明だ。難民の数が多すぎる。われわれは自分たちの運用を継続する」と述べ、裁判所に対して入国拒否の正当性を訴えていく考えを示した。
ドイツでは難民や移民への懸念が高まり、このことが極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持が上昇する一因となっている。AfDは2月に実施された連邦議会(下院)総選挙で第2党に躍進した。