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スイス中銀がマイナス金利再導入も、総裁が改めて指摘

2025年05月20日(火)11時52分

 5月19日、スイス国立銀行(SNB、中央銀行)のシュレーゲル総裁(写真)は同国中部ルツェルンで講演し、マイナス金利政策を再導入する可能性は排除できないとの考えを改めて表明した。写真は2024年4月、ベルンで撮影(2025年 ロイター/Denis Balibouse)

[ルツェルン(スイス) 19日 ロイター] - スイス国立銀行(SNB、中央銀行)のシュレーゲル総裁は19日、同国中部ルツェルンで講演し、マイナス金利政策を再導入する可能性は排除できないとの考えを改めて表明した。SNBは2014年12月から22年9月まで政策金利をマイナス圏に設定していた。

総裁は、足元の金融市場で先行き不透明感が「非常に高い」と指摘。経済成長の「毒」と表現し、深刻な足かせだとの見方を示した。さらにインフレについても先行きが非常に見通しづらいと述べ、マイナス金利再導入の可能性を改めて挙げた。

総裁は、トランプ米大統領による4月の「相互関税」発表後に先行き不透明感が著しく高まったとの見方を示し、「そうしたことはスイスフランの対ドル、対ユーロ相場に表れている。(市場と経済が)波乱の展開となった際、スイスフランは安全な避難先となる資産として、投資家に求められている」と話した。

また、総裁は米格付け会社大手ムーディーズ・レーティングスが16日に米国債格付けを最上位から引き下げたことにも言及。ドルは世界の金融市場の主柱であり、米国債は流動性が高いため、投資家にとって引き続き魅力的な資産であり続けると指摘。その上で「現時点でも、近い将来を見通しても、米国債や米国債市場に代わる選択肢はない」と強調した。

ロイター
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