ニュース速報

ワールド

BRICS首脳会議は南アで開催、プーチン氏巡り法的対応検討=外相

2023年06月01日(木)23時50分

南アフリカは、8月に開催する新興5カ国(BRICS)首脳会議(サミット)について、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているロシアのプーチン大統領(写真)が出席する場合の対応を検討している。5月31日撮影。(2023年 ロイター/Sputnik)

[ヨハネスブルク/ケープタウン 1日 ロイター] - 南アフリカは、8月に開催する新興5カ国(BRICS)首脳会議(サミット)について、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているロシアのプーチン大統領が出席する場合の法的な対応を検討している。南アのパンドール外相が1日、明らかにした。

ICCは3月、ロシアがウクライナで子どもをロシア支配地域に強制的に移動させたことを巡りプーチン氏に逮捕状を出した。南アフリカはICC加盟国のため、プーチン氏がサミット出席のために来訪した場合、建前としては逮捕しなくてはならない。

南アは現在、ケープタウンでBRICS外相会議を開催。同会議に出席している南アのパンドール外相は記者団に対し「南ア政府は現在、この件に関してどのような法的な選択肢があるか検証している」とし、結論が出ればラマポーザ大統領が発表すると述べた。

BRICS首脳会議は8月22─24日にヨハネスブルグで開催。同会議が別の国で開催されるとの観測も出ていたが、パンドール外相はBRICS首脳会議は8月にヨハネスブルグで開催されると言明した。

南アと共にBRICSを構成するブラジル、ロシア、インド、中国の全ての首脳に招待状がすでに発行されているという。

南アフリカは5月29日、現在行われているBRICS外相会議のほか、8月のBRICS首脳会議の出席者に外交特権を発行。南アの国際関係部門は、南アで開催される全ての国際会議の標準的な手続きだとしている。

これに先立ち、南ア政府の国際関係当局の幹部は、この問題を担当する閣僚が近く集まり、選択肢を提起した報告書を検討する予定だと述べていた。

南ア政府高官は5月31日に、前回の議長国でロシアや米国とともにICCに加盟していない中国にサミット開催を要請する選択肢もあると述べている。

ただインタファクス通信は、ロシアのリャプコフ外務次官が1日にサミットの開催国に中国に変更するという報道は偽情報だと述べたと報じた。

ロシア大統領府は5月30日、サミットに「適切なレベル」で参加するとしている。

ムベキ元南ア大統領は5月25日のラジオインタビューで「法にしたがってプーチン大統領を逮捕しなければならないが、そんなことはできない」と述べ、サミットが南アで開催される可能性は低いとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

新教皇、ローマ近郊聖堂と前教皇の墓を訪問 選出後初

ワールド

プーチン氏、ウクライナとの直接協議提案 15日にト

ワールド

韓国与党、韓前首相指名を否決 大統領選候補一本化迷

ビジネス

米中、貿易問題巡る初日協議終了 トランプ氏「良い協
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦闘機を撃墜する「世界初」の映像をウクライナが公開
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    指に痛みが...皮膚を破って「異物」が出てきた様子を…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 8
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 9
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 10
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中