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バングラ中銀盗難、ハッカーはSWIFTのソフトウエアに侵入か

2016年04月25日(月)17時58分

 4月25日、バングラデシュ中央銀行が米ニューヨーク連銀に保有している口座から不正送金された事件で、8100万ドルを盗んだハッカーは、国際銀行間通信協会(SWIFT)が提供したソフトウエアに不正侵入した可能性があることが分かった。ボスニア・ヘルツェゴビナで撮影(2016年 ロイター/Dado Ruvic)

[25日 ロイター] - バングラデシュ中央銀行が米ニューヨーク連銀に保有している口座から不正送金された事件で、8100万ドルを盗んだハッカーは、国際銀行間通信協会(SWIFT)が提供したソフトウエアに不正侵入した可能性があることが分かった。

英防衛企業BAEシステムズの研究者らが明らかにした。

3000の金融機関が出資するSWIFTの広報担当者もロイターに対し、顧客のソフトウエアをターゲットとしたマルウエア(悪意のあるソフト)を把握していることを確認した。このマルウエアを阻止するための更新版ソフトウエアを25日に公開するとしている。

BAEの研究者らはロイターに対し、バングラデシュ中銀を攻撃したハッカーらがSWIFTの顧客向けソフトウエア「Alliance Access」を操作するために使用したマルウエアを発見したと語った。25日に公表する予定だという。

事件を調べている捜査当局はこれまで、まだ特定できていないハッカーらがバングラデシュ中銀のコンピューターに侵入し、SWIFTのシステムにログインするのに使用する認証情報を手に入れたと指摘している。

しかし、BAEの調査では、バングラデシュ中銀のコンピューター上にあるSWIFTのソフトウエアが不正送金記録を消去するために侵入された可能性があるという。

SWIFTの広報担当者は24日、「当該マルウエアは、SWIFTのネットワーク、もしくは中核のメッセージングサービスに何ら影響を及ぼさない」と説明。SWIFTのメッセージングプラットホームは世界中で1万1000の銀行やその他機関に利用される一方、Alliance Accessを利用しているのは一部にとどまるという。

※英文参照番号[nL2N17Q0AS](契約の内容によっては英文がご覧いただけない場合もあります)

ロイター
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