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NY外為市場=ドル下落、FRBと他中銀の温度差に注目

2025年12月12日(金)07時03分

米ドル紙幣とユーロ紙幣。2015年3月9日撮影。REUTERS/Dado Ruvic

[ニューヨーク/ロンドン 11日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が前日に示した見通しが市場の予想よりもハト派的だったことを受け、ドルがユーロ、スイスフラン、英ポンドに対し数カ月ぶりの安値を更新した。ドルは対円でも下落した。

FRBは10日までの2日間の日程で開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げを決定。利下げは予想されていたこともあり、決定が9対3だったことや、FOMCに合わせて公表された参加者の政策金利見通し(ドットチャート)などが利下げ自体よりも注目された。

UBS(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、ワシーリー・セレブリアコフ氏は「FOMC前はFRBはタカ派的な姿勢を示すとの見方が織り込まれていた。(パウエルFRB議長は)特段ハト派というわけではなかったが、追加利下げの余地を残したように見える」と指摘。こうした状況は次の一手として利上げを示唆したオーストラリア準備銀行(中央銀行)などとは対照的で、「米国以外ではオーストラリアのほか、カナダや欧州でも、かなり積極的なタカ派的な見通しの修正が見られている」と述べた。

この日発表の米経済指標では、12月6日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)が23万6000件と、前週から4万4000件増加。急増は年末にかけての季節調整が難しくなっていることを反映したもので、労働市場の状況に実質的な変化があったわけではないとみられているものの、ドル相場の重しになった。

このほか、FRBが金利誘導目標システムの管理を確実に維持することなどを目的に財務省短期証券(Tビル)の買い入れを開始すると発表したことを受け、この日の取引で米国債利回りが低下したこともドルが下落する要因になった。

終盤の取引でドル/円は0.3%安の155.61円。

ドルは対スイスフラン で0.6%安の0.7947フラン。一時は11月中旬以来の安値を付けた。スイス国立銀行(中央銀行)は11日に開いた会合で政策金利をゼロ%に据え置くと決定。スイスフラン相場の下支えになった。

ユーロ/ドルは0.4%高の1.1740ドル。一時は10月3日以来の高値を付けた。

ドル/円 NY終値 155.57/155.61

始値 155.76

高値 155.81

安値 154.95

ユーロ/ドル NY終値 1.1738/1.1739

始値 1.1712

高値 1.1762

安値 1.1711

ロイター
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