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航空業界ネットゼロに黄信号、SAF供給不足 目標未達とIATA警告

2025年12月10日(水)12時26分

エミレーツ航空の航空機にSAFを充填するスタッフ。ドバイで2023年1月撮影。REUTERS/Rula Rouhana

Joanna Plucinska Olivia Le Poidevin

[ジュネーブ 9日 ロイター] - 国際航空運送協会(IATA)は9日、世界の航空業界が今後数年間で持続可能な航空燃料(SAF)の使用目標を達成できない公算が大きいと明らかにした。燃料生産者と規制当局の「期待外れな」対応を理由に挙げた。

IATAのウィリー・ウォルシュ会長は記者団に対し、「期待していた量のSAFが生産されていない。残念だ」と述べた。ウォルシュ氏は以前、2050年のネットゼロ(排出量実質ゼロ)目標の達成が危ぶまれると警告していた。

廃材や使用済み食用油を主原料とするSAFは、従来のジェット燃料に比べて二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減できる。ただ、依然として価格が従来燃料の2─5倍に達する。

IATAは、2026年に240万トンのSAFが供給されると予測しているが、これは総燃料消費量の0.8%にとどまる。生産量は2024─25年で倍増したものの、25─26年はわずか50万トンの増加にとどまるとみられ、SAF部門の成長が鈍化していることを示す。

航空業界全体は21年に50年までのネットゼロ達成を約束したが、これはSAFへの段階的な移行に大きく依存している。

IATAのデータによると、SAFは世界のジェット燃料の約0.3%を占めており、この割合は25年時点でも0.7%に過ぎないと予測されていた。専門家は、排出量目標達成には生産量の急拡大が必要だと指摘する。

航空各社は以前から入手可能なSAFを全て購入する意思はあるとしつつも、ジェット燃料生産者が価格を人為的につり上げ、十分に生産していないと非難している。

ロイター
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