ニュース速報
ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、FRB議長発言で12月利下げ観測後退

2025年10月30日(木)05時38分

ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が予想通りに2会合連続で0.25%ポイントの利下げを決定したものの、パウエルFRB議長が12月の次回会合での追加利下げは既定路線ではないと述べたことを受け、ドルが上昇した。5月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 29日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が予想通りに2会合連続で0.25%ポイントの利下げを決定したものの、パウエルFRB議長が12月の次回会合での追加利下げは既定路線ではないと述べたことを受け、ドルが上昇した。

FRBは28─29日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、前回9月の会合に続き0.25%ポイントの利下げを決定。決定は10対2だった。パウエル議長はFOMC後の記者会見で、「12月(の次回会合)の対応を巡り大きな見解の相違があった」とし、「12月会合での利下げ決定は既定路線ではない」と言及。差し迫った利下げを見送る用意のある当局者が増えているとし、一部の当局者の間で当面は様子を見たいという心理が出ているとの認識を示した。

今回のFOMCでは、ミラン理事が0.5%ポイントの利下げを主張した一方、カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁が金利据え置きを主張。インベスティングライブ(トロント)のチーフ外為アナリスト、アダム・ボタン氏は「シュミッド総裁が金利据え置きを主張したのはタカ派的で、何人かのFRB当局者の見方を反映している可能性がある」と指摘。12月の次回会合でも追加利下げが決定されるという市場の観測を抑制するようパウエル議長に圧力がかかる可能性があるとの見方を示した。

FOMCを受け、市場が織り込む12月利下げの確率は62%。朝方は約85%だった。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.63%高の99.28。 ユーロ/ドルは0.56%安の1.1585ドル。ドル/円は0.56%安の152.86円。

欧州中央銀行(ECB)と日銀も今週、政策決定会合を開く。

イングランド銀行(英中央銀行)が来週の会合で利下げを決定するとの観測から英ポンドが売られ、英ポンド/ドルは一時1.3137ドルと、5月12日以来の安値を付けた。

カナダドル はほぼ横ばい。カナダ銀行(中央銀行)はこの日の会合で0.25%ポイントの利下げを決定。中銀はインフレと経済の見通しに変化がない限り利下げサイクルに終止符を打つ可能性を示唆したが、マックレム中銀総裁はカナダ経済の見通しに実質的な変化が生じれば対応する姿勢を示した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.37%安の11万1295ドル。 

ドル/円 NY午後4時 152.81/152.82

始値 152.23

高値 153.05

安値 151.87

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1599/1.1601

始値 1.1647

高値 1.1665

安値 1.1578

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米政府閉鎖で低所得者向け光熱費支援に支障、各州に資

ビジネス

米メタ、来年の設備投資拡大を予想 積極的なAI投資

ビジネス

ムーディーズ、ニデックをBaa1に格下げ 引き続き

ビジネス

マイクロソフト7─9月売上高、クラウド好調で予想超
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理に押し上げた「2つの要因」、流れを変えたカーク「参政党演説」
  • 4
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 7
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 8
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 9
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中