「ＥＵは経済成長で世界に遅れ」 ドラギ氏が一段の行動促す

欧州中央銀行（ＥＣＢ）の前総裁で前イタリア首相のマリオ・ドラギ氏は１６日、ブリュッセルで講演し、ＥＵが世界の競争国相手に比べて経済成長で一層遅れを取っており、各国政府は行動するべき緊急性を理解できていないと述べた。写真は９月１６日、ベルギーのブリュッセルで撮影（２０２５年　ロイター/Yves Herman）

[ブリュッセル １６日 ロイター] - 欧州中央銀行（ＥＣＢ）の前総裁で前イタリア首相のマリオ・ドラギ氏は１６日、ブリュッセルで講演し、ＥＵが世界の競争国相手に比べて経済成長で一層遅れを取っており、各国政府は行動するべき緊急性を理解できていないと述べた。

ドラギ氏はＥＵ欧州委員会の要請で１２カ月前、ＥＵの競争力に関する包括的な報告書を提出した。ＥＵの成長モデルが「急速に衰えつつある」上に以前よりももろくなっており、必要な投資に対する明確な資金調達の道筋もないと語った。

ドラギ氏はＥＵが野心的な計画を打ち出しているが進展はあまりに遅く、各国政府は「今この瞬間の重大性を理解していない」と述べた。

ドラギ氏は「これまで通りに進めることは遅れを受け入れることだ。異なる道を進むために新たな速度、規模、強度を必要とする」と語った。

ドラギ氏はＥＵ内で事業拡大する際の障壁、データ利用の規制、産業の人工知能（ＡＩ）採用に対処するために一段の行動が必要だと述べた。