ニュース速報
ビジネス

デンソー、通期予想を増収に修正 関税コストを価格に反映

2025年07月31日(木)12時49分

 デンソーは31日、2026年3月期の通期売上高予想(国際会計基準)を7兆0500億円から前年比0.5%増の7兆2000億円へ上方修正した。米国の関税措置による費用を価格に反映する。写真は愛知県刈谷市にある同社の本社。2020年1月撮影。提供写真(2025年 ロイター/Denso Corporation)

Maki Shiraki

[東京 31日 ロイター] - デンソーは31日、2026年3月期通期の売上高に相当する売上収益予想(国際会計基準)を従来の7兆0500億円から7兆2000億円へ上方修正した。米国の関税措置による費用を7─9月期以降、価格に反映する。期初に想定していた1.6%の減収から一転、0.5%の増収を見込む。

通期営業利益予想は従来の6750億円を据え置いた。IBESがまとめたアナリスト19人の予測平均値6287億円を上回った。

松井靖副社長は決算会見で、米国関税の通期への影響について、「保守的にみて1300億円」と想定していると明らかにした。その上で、「納税する原単位をもっと精査することで200億円くらいは下げられるともみている」と説明。例えば、「米国で作ることができるものは米国で作る、第三国を迂回している変な商流を止める」などして徹底的に圧縮すると述べた。

それでもどうしても残る関税分は「顧客と価格に転嫁する相談をしていく」という。顧客の自動車メーカーからは証拠書類を提出すれば前向きに相談に乗るといわれており、「価格転嫁の正の循環を回す」ことを自動車メーカーも理解してくれていると指摘。「現時点では(関税コストは)全額回収できるだろう」との見通しを示した。

同時に発表した25年4━6月期の連結業績は、売上収益が前年同期比横ばいの1兆7541億円、営業利益が同11.1%減の1072億円だった。関税の影響と取引先分を含む賃上げなどの人的投資がそれぞれ125億円ずつ押し下げたほか、部材費高騰や為替の影響も響いた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、経済指標受け 半導体関連が軟調

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、一時150円台 米経済堅調

ビジネス

再送-アマゾン、第3四半期売上高見通しが予想上回る

ビジネス

アップル、4─6月期業績が予想上回る iPhone
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから送られてきた「悪夢の光景」に女性戦慄 「這いずり回る姿に衝撃...」
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 6
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 9
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 10
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中