豪ANZ、上半期利益横ばい 住宅ローン競争と減損処理で

オーストラリアの銀行大手ANZグループが8日発表した2025年度上半期(24年10月-25年3月)決算は、キャッシュ利益が35億7000万豪ドル(22億9000万米ドル)となり、前年同期比ほぼ横ばいだった。写真はANZ銀行。2022年11月、ウェリントンで撮影(2025年 ロイター/Lucy Craymer)
[8日 ロイター] - オーストラリアの銀行大手ANZグループが8日発表した2025年度上半期(24年10月-25年3月)決算は、キャッシュ利益が35億7000万豪ドル(22億9000万米ドル)となり、前年同期比ほぼ横ばいだった。住宅ローン市場で激しい競争が続いていることや減損処理資産の増加により、融資の拡大が相殺された格好だ。
ビジブル・アルファが集計した市場予想は35億4000万豪ドルとなっていた。
上半期の純金利マージンは前年同期と同じ1.56%だったが、前期比では2ベーシスポイント(bp)縮小した。
減損処理資産はグロスベースで48%増の25億2000万豪ドルとなり、2021年3月以降で最高を記録した。
ANZのオーストラリア国内リテール部門は住宅ローンが3%増加、中核の法人向け融資は4%増えた。
ANZのシェイン・エリオット最高経営責任者(CEO)は「世界情勢の先行きは不透明であり、市場は変動が激しい局面が続くだろう」と述べ、同行は財務が強固であるため、そうした不確実性の局面を乗り切ることができると付け加えた。