トランプ関税、世界の供給網通じてNZ経済に悪影響も=中銀総裁

ニュージーランド準備銀行(RBNZ)のホークスビー総裁(写真)は8日の議会証言で、トランプ米政権が打ち出した関税措置が世界のサプライチェーン(供給網)に与える悪影響が、ニュージーランド経済にも波及する恐れがあると警告した。5月7日、ウェリントンで撮影(2025年 ロイター/Lucy Craymer)
[ウェリントン 8日 ロイター] - ニュージーランド準備銀行(RBNZ)のホークスビー総裁は8日の議会証言で、トランプ米政権が打ち出した関税措置が世界のサプライチェーン(供給網)に与える悪影響が、ニュージーランド経済にも波及する恐れがあると警告した。
ホークスビー氏は「われわれはコロナ禍の経験を通じて、供給サイドの影響は相当大きく長期間続き、さまざまな試練を生み出す可能性があると分かっている」と語った。
一方で世界経済の構造的な枠組みがどのように変わっていくかについては、不透明な部分がなお大きいとの見方を示した。
複数のエコノミストによると、ニュージーランド製品に適用される米国の関税率10%の打撃は、ニュージーランドドル安によって多少緩和されるものの、貿易相手国の経済が弱体化することが逆風に働くだろうという。
ホークスビー氏は、RBNZが関税負担の増大を理由に世界経済成長見通しを引き下げたことも明らかにした。