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NY市場サマリー(7日)株反発、ドル上昇、利回り低下

2025年05月08日(木)07時15分

<為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し上昇。米連邦準備理事会(FRB)は7日までに開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り利下げを見送った。

FRBは声明で、経済は全体として「引き続き堅調なペースで拡大している」とした上で、「経済見通しを巡る不確実性は一段と高まった」と指摘。「FRBは二重の使命に対するリスクに注意を払っており、失業率とインフレ率の上昇のリスクが高まっていると判断した」と述べた。パウエルFRB議長も記者会見で、不確実性を踏まえ、予防的な行動をする状況ではないと語った。

ステート・ストリートのシニアグローバルマーケットストラテジスト、マービン・ロー氏は、FRBがインフレや雇用情勢に関する見解を変更も弱めもせず、「市場の多くが予想していたより幾分タカ派的だった」と指摘。「FRBが動く必要があるとデータが示すか、貿易問題を巡り何らかの明確さを得られるまで、長期の据え置き期間になると想定している」と述べた。

終盤の取引で、ドル/円 JPY= は1%高の143.84円。4営業日ぶりの上昇となった。

ドル/スイスフランCHF=は、0.09%高の0.82210フラン。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では、利回りが低下。米連邦準備理事会(FRB)が大方の予想通り政策金利の据え置きを維持した中、インフレと失業率の上昇リスクの高まりを指摘したことが材料視された。

指標となる10年国債利回りUS10YT=RRは4.3ベーシスポイント(bp)低下の4.725%、2年債利回りUS2YT=RRは1bp弱低下の3.781%となった。

30年債利回りUS30YT=RRも4bp低下し、4.773%となった。

FRBは6─7日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25─4.50%に据え置くことを決定。インフレと失業率の上昇リスクが高まっているとしたほか、トランプ政権の関税の影響に対応する中で、経済見通しが一段と不透明になっているとの認識を示した。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)の公共投資最高投資責任者(CIO)のアシシュ・シャー氏は電子メールでのコメントで、最近の雇用統計は懸念されていたほど悪い内容ではなく、これがFRBの現状維持の姿勢を裏付けになっていると指摘。その上で「利下げサイクルを再開するには、労働市場が十分に軟化することが必要条件となる」と述べた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場は反発して取引を終えた。人工知能(AI)向け半導体の輸出規制が緩和されるとの報道を受け、終盤に半導体株が上昇した。

この日は株価が上下する展開となり、米連邦準備理事会(FRB)の金利据え置き発表後も不安定な取引が続いた。

終盤にかけては、バイデン前政権が発表したAI半導体輸出規制について、トランプ政権が撤廃を検討しているとの報道を受けて半導体株が上昇。米商務省報道官はその後、報道内容を確認した。

フィラデルフィア半導体指数.SOXは1.7%上昇。取引時間中には一時1%下げていた。

FRBは6─7日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25─4.50%に据え置くと決定。インフレと失業率の上昇リスクが高まっているとしたほか、トランプ政権の関税の影響に対応する中で、経済見通しが一段と不透明になっているとの認識を示した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中貿易摩擦の緩和期待とドル上昇に伴う割高感に圧迫され、4営業日ぶりに反落した。 

トランプ米政権は6日、貿易問題に関する米中の閣僚級協議を週末10─11日にスイスで開くと発表した。4月の相互関税発動以来、両国の公式協議は初めて。米中は高関税を互いの輸入品に課し合い、事実上「禁輸」状態に陥っており、対面での直接交渉が関係 改善の糸口になる可能性があるとの期待感が台頭した。

市場のリスク警戒ムードが和らぐ中、この日は安全資産の持ち高を手じまう動きが先行。 また、外国為替市場でドルが主要通貨に対して強含み、ドル建てで取引される金の割高感が意識されたことも弱材料となった。ただ、中国人民銀行(中央銀行)が4月に金の保有量を6カ月連続で積み増ししたとの報などが相場を下支え。また、午後に米連邦準備理事会(FRB)の金融政策決定を控え、取引時間中の相場は3400ドル付近をほぼ横ばいに推移した。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、 米中貿易協議の行方が注視される中、ガソリン需要への懸念が浮上し、反落した。

ベセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表は今週末にスイスで、中国の何立峰副首相と貿易問題に関する協議を行う。米中貿易摩擦が緩和するとの期待から、 相場は時間外で堅調に推移。ただ協議が早期に急進展する可能性は高くないとの見方から、 取引序盤以降は、利食い売りが先行していた。

米エネルギー情報局(EIA)がその後発表した最新週の石油在庫統計によると、原油在庫は前週比200万バレル減と、市場予想(80万バレル減=ロイター調べ)を上回る取り崩しとなった。一方、ガソリン在庫は20万バレル増と、市場予想(160万バレル減)に反する積み増しを記録。夏場のドライブシーズンを控える中、一部のアナリス トらの間ではガソリン需要が伸び悩むとの懸念も台頭し、相場の圧迫要因となった。 一方、米連邦準備理事会(FRB)は7日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、 大方の予想通り、3会合連続となる政策金利の据え置きを決めた。FOMC声明で「経済 見通しを巡る不透明感はさらに増した」と先行き懸念を示したことをきっかけに、エネル ギー需要見通しに対する警戒感が台頭し、声明発表後、相場は下げ幅を拡大した。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 143.82/143.

83

始値 143.25

高値 143.99

安値 142.92

ユーロ/ドル NY終値 1.1299/1.13

01

始値 1.1365

高値 1.1372

安値 1.1293

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 97*22.0 4.7708

0 %

前営業日終値 97*01.0 4.8130

0 %

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.0 4.2694

0 %

前営業日終値 99*14.5 4.3180

0 %

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*01. 3.8644

50 %

前営業日終値 99*28.7 3.8970

5 %

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*30.0 3.7827

0 %

前営業日終値 99*29.6 3.7890

3 %

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 41113.97 +284.97 +0.70

前営業日終値 40829.00

ナスダック総合 17738.16 +48.50 +0.27

前営業日終値 17689.66

S&P総合500種 5631.28 +24.37 +0.43

前営業日終値 5606.91

COMEX金 6月限 3391.9 ‐30.9

前営業日終値 3422.8

COMEX銀 7月限 3279.1 ‐59.0

前営業日終値 3338.1

北海ブレント 7月限 61.12 ‐1.03

前営業日終値 62.15

米WTI先物 6月限 58.07 ‐1.02

前営業日終値 59.09

CRB商品指数 289.7624 ‐2.4717

前営業日終値 292.2341

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