SHEINとTemu、英仏でデジタル広告強化 米免税撤廃が影響

中国発の衣料品の電子商取引(EC)サイト「SHEIN(シーイン)」と「Temu(テム)」が、4月に欧州でデジタル広告を強化したことが、マーケット・インテリジェンス企業センサー・タワーのデータで分かった。 2024年8月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 5日 ロイター] - 中国発の衣料品の電子商取引(EC)サイト「SHEIN(シーイン)」と「Temu(テム)」が、4月に欧州でデジタル広告を強化したことが、マーケット・インテリジェンス企業センサー・タワーのデータで分かった。 トランプ米政権が、中国と香港からの小口輸入品に対する関税を免除措置(デミニミス・ルール)を5月2日に廃止したことが影響している可能性がある。
両社は米の免税措置撤廃を前に、米国でデジタル広告費を大幅に削減したとのデータがすでに出ている。
センサータワーがロイターに独占提供したデータによると、欧州での広告費は特にフランスと英国で伸びている。テムはフランスで前月比40%増加、英国で20%増加、シーインは両国で35%増加した。
前年比では、テムは英国で20%、フランスで115%それぞれ増加、シーインはフランスで45%増、英国で100%増だった。
広告強化で、英国ではアプリのダウンロード数が増加。シーインは25%増加、テムは2倍以上になった。ただ1日当たりのアクティブユーザー(DAU)はシーインが5%増、テムは10%増と控えめな伸びにとどまる。
ペパーダイン・グラツィアディオ・ビジネススクールのキンバー・マデラッツォ教授(マーケティング)は、シーインとテムは米国での成長の原動力だった免税措置の撤廃で「米国では以前ほど多くの顧客を獲得することはできないだろう」と述べた。両社は現在、米で既存顧客の維持に注力しているという。