ニュース速報
ビジネス

独IFO業況指数、4月86.9へ予想外の上昇 貿易戦争懸念くすぶる

2025年04月24日(木)19時56分

4月24日、独IFO経済研究所が発表した4月の業況指数は86.9と、前月の86.7から予想外に上昇した。フランクフルトで2021年10月撮影(2025年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[ベルリン 24日 ロイター] - 独IFO経済研究所が24日発表した4月の業況指数は86.9と、前月の86.7から予想外に上昇した。ロイターがまとめた市場予想は85.2だった。

期待指数は小幅に低下した。

IFOのクレメンス・フュースト所長は「企業の間で不透明感が高まった。ドイツ経済は乱気流への準備をしている」と述べた。

IFO調査責任者、クラウス・ホールラーベ氏は、ロイターに「ドイツ経済はリセッションを回避しようと戦っている」と述べた。

期待指数は87.7から87.4に低下したが、予想を大幅に上回った。現況指数は85.7から86.4に上昇した。

調査は約9000社を対象に実施した。

デカのアナリスト、アンドレアス・ショイアーレ氏は「建設業界では、恐らくインフラ対策のおかげで事業見通しが大幅に改善した。サービス業の将来の見通しも安定しており、製造業と卸売・小売業の低迷をほぼ相殺した」と指摘。

LBBWのアナリスト、エルマー・フェルカー氏は、ドイツ経済が近く深刻なリセッションに陥らないことを示しているとし「米国との貿易摩擦が最近激化していることを踏まえると、今回の統計はポジティブサプライズだ」と述べた。

ドイツ復興金融公庫(KfW)のディルク・シューマッハー氏は、米関税に関して企業は期待と恐怖のはざまにあり、合意がまとまるという楽観的展望も多少もっているとしたが「信頼感は非常に抑制されているようだ」と述べた。

4月上旬、2月の総選挙で第一党となった保守系連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が中道左派の社会民主党(SPD)と連立政権樹立で合意した。新政権は、経済立て直しへ財政拡張路線に転換する方針だ。

INGのカーステン・ブルゼスキ氏は、IFO指数は政治イベントに遅れて反応する傾向があるとし、「現在、ドイツ経済に関し、わかっていないことのほうが多い」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中