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銀行資本規制の適用と流動性バッファーの計算見直しを=FSB議長

20カ国・地域(G20)の金融当局でつくる金融安定理事会(FSB)のクノット議長(写真)は1日、米欧の銀行を巡る混乱を受けて、銀行に対する資本規則の適用方法と流動性バッファーの計算方法を見直すべきとの見解を示した。新潟で先月12日撮影。(2023年 ロイター/Issei Kato)
[ロンドン 1日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)の金融当局でつくる金融安定理事会(FSB)のクノット議長(オランダ中央銀行総裁)は1日、米欧の銀行を巡る混乱を受けて、銀行に対する資本規則の適用方法と流動性バッファーの計算方法を見直すべきとの見解を示した。
欧州銀行連盟(EBF)のイベントで述べた。
米シリコンバレー銀行とクレディ・スイスが経営難に陥った際に米国とスイスの規制当局がどのように対応したかについて、FSBが分析を開始したと明らかにした。
規制当局はどのような銀行がシステム上重要とみなされ、新銀行自己資本比率規制「バーゼルIII」の対象となるかを再考する必要があると指摘。「欧州だけの問題ではなく、世界の他の地域でも問題になっている」とし、欧州の銀行監督は米国よりうまく機能しているとの認識を示した。
クノット氏はまた、ソーシャルメディア(SNS)が金融分野に及ぼす影響にも言及。1つのツイートが取り付け騒ぎを引き起こし、流動性問題につながる可能性があるとした。SVBの破綻は、ある有力投資家が顧客に資金の引き出しを勧めているというSNS上の投稿によって引き起こされたとされる。
このため、流動性カバレッジ比率(LCR)を見直す時期に来ていると述べた。
さらに、市場が来年の利下げを織り込んでいることに注意を促し、「もしその予想を修正しなければならなくなった場合に金融市場の再調整につながる可能性がある。個人的にはそうした予想が修正される可能性は低くないと考える」と述べた。
*内容を追加して再送します。