ニュース速報

ビジネス

銀行資本規制の適用と流動性バッファーの計算見直しを=FSB議長

2023年06月01日(木)23時51分

20カ国・地域(G20)の金融当局でつくる金融安定理事会(FSB)のクノット議長(写真)は1日、米欧の銀行を巡る混乱を受けて、銀行に対する資本規則の適用方法と流動性バッファーの計算方法を見直すべきとの見解を示した。新潟で先月12日撮影。(2023年 ロイター/Issei Kato)

[ロンドン 1日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)の金融当局でつくる金融安定理事会(FSB)のクノット議長(オランダ中央銀行総裁)は1日、米欧の銀行を巡る混乱を受けて、銀行に対する資本規則の適用方法と流動性バッファーの計算方法を見直すべきとの見解を示した。

欧州銀行連盟(EBF)のイベントで述べた。

米シリコンバレー銀行とクレディ・スイスが経営難に陥った際に米国とスイスの規制当局がどのように対応したかについて、FSBが分析を開始したと明らかにした。

規制当局はどのような銀行がシステム上重要とみなされ、新銀行自己資本比率規制「バーゼルIII」の対象となるかを再考する必要があると指摘。「欧州だけの問題ではなく、世界の他の地域でも問題になっている」とし、欧州の銀行監督は米国よりうまく機能しているとの認識を示した。

クノット氏はまた、ソーシャルメディア(SNS)が金融分野に及ぼす影響にも言及。1つのツイートが取り付け騒ぎを引き起こし、流動性問題につながる可能性があるとした。SVBの破綻は、ある有力投資家が顧客に資金の引き出しを勧めているというSNS上の投稿によって引き起こされたとされる。

このため、流動性カバレッジ比率(LCR)を見直す時期に来ていると述べた。

さらに、市場が来年の利下げを織り込んでいることに注意を促し、「もしその予想を修正しなければならなくなった場合に金融市場の再調整につながる可能性がある。個人的にはそうした予想が修正される可能性は低くないと考える」と述べた。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国与党、金前労働相を届け出 大統領選候補選び迷走

ワールド

新教皇、ローマ近郊聖堂と前教皇の墓を訪問 選出後初

ワールド

プーチン氏、ウクライナとの直接協議提案 15日にト

ビジネス

米中、貿易問題巡る初日協議終了 トランプ氏「良い協
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦闘機を撃墜する「世界初」の映像をウクライナが公開
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    指に痛みが...皮膚を破って「異物」が出てきた様子を…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 8
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 9
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 10
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中