ニュース速報

ビジネス

ファイザー、21─22年ワクチン売上高650億ドル見込む 予想上回る

2021年11月04日(木)08時58分

米製薬大手ファイザーは2日、独ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、2022年の売上高が290億ドルになるという見通しを示した。2月撮影(2021年 ロイター/Matthew Childs)

[2日 ロイター] - 米製薬大手ファイザーは2日、独ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチンの売上高について、2021年は360億ドル、22年は290億ドルになるとの見通しを示した。両年とも市場予想を上回った。

22年は40億回分のワクチン生産能力があるものの、現時点での売上高見通しは17億回分の販売に基づいている。同社はワクチン供給契約のさらなる獲得を目指しており、契約が増えれば来年の売上高はさらに増加する可能性がある。

ただ、ブーラ最高経営責任者(CEO)は、低中所得国の来年のワクチン発注が間に合わず、先進国に再び後れを取ることになる可能性に懸念を示した。

同社は低中所得国に来年、少なくとも10億回分のワクチンを提供することを見込んでいる。

21年は上方修正された見通しに基づくと、新型コロナワクチンの売上高が総売上高に占める比率は最大44%に達する見通し。

ワクチン売上高の市場予想は21年が354億4000万ドル、22年が221億5000万ドルだった。

今年は約30億回分のワクチン生産を計画し、うち23億回分が出荷される見通しという。

第3・四半期のワクチン売上高は130億ドルだった。

ファイザー・ビオンテック製ワクチンの売り上げは、米モデルナやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)を大幅に上回っている。

ファイザーなどの新型コロナワクチンメーカーは今後数年間、毎年のブースター(追加)接種から数十億ドルの利益を得る見込みだとアナリストは指摘している。

ファイザーのドルステン最高科学責任者(CSO)によると、同社はすでに4回目のワクチン接種に関する臨床試験を計画しており、毎年のワクチン接種を支持するようなデータが得られる可能性がある。

同CSOは、データが得られれば、来年のインフルエンザ流行期前にコロナワクチンの年間接種に向けた申請を行う可能性があるとした。

ファイザーはまた、新型コロナ感染症の治療薬として抗ウイルス剤の研究も行っており、認可されれば、年内に供給を開始する可能性がある。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、イエメン首都と北部県攻撃 死者9人・

ビジネス

米8月卸売物価2.6%上昇に減速、前月比はマイナス

ワールド

トランプ政権が控訴、クックFRB理事解任差し止め巡

ワールド

フランス各地で反政府デモ、数千人が参加 政治への不
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題」』に書かれている実態
  • 3
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 4
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 5
    毎朝10回スクワットで恋も人生も変わる――和田秀樹流…
  • 6
    カップルに背後から突進...巨大動物「まさかの不意打…
  • 7
    富裕層のトランプ離れが加速──関税政策で支持率が最…
  • 8
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 9
    ロシアが遂に「がんワクチン」開発に成功か...60~80…
  • 10
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 4
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 5
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 6
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 7
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 8
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 9
    エコー写真を見て「医師は困惑していた」...中絶を拒…
  • 10
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中