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ダドリーNY連銀総裁、来年半ばまでに退任

11月6日、米ニューヨーク連銀は6日、ダドリー総裁(写真)が2018年半ばまでに退任する予定であることを確認した。写真は2015年11月ニューヨークで撮影(2017年 ロイター/Lucas Jackson)
[ニューヨーク 6日 ロイター] - 米ニューヨーク(NY)連銀は6日、ダドリー総裁(64)が2018年半ばまでに退任する予定であることを確認した。
ダドリー氏は連邦準備理事会(FRB)内で金融危機を受けた異例の金融緩和策の導入を強く推し進めた1人。2019年1月の任期終了を待たずに退任する。
イエレンFRB議長はダドリー氏はFRBの政策に「大きく貢献した」とする声明を発表した。
ニューヨ-ク連銀理事会は、後任指名のための委員会を設置したとした上で、広く優秀な人材を募り、来年半ばまでに候補者を指名する意向を示した。ある関係者は、選定作業がすでに始まっていると指摘した。
トランプ大統領は前週、FRBの次期議長にジェローム・パウエル理事を指名すると発表したばかり。FRB理事会ではこの他3つのポストが空席となっている。
ドイツ銀証券の首席エコノミストは「今後はパウエル氏主導の体制作りに向け、準備が進むことになる」とし、ニューヨ-ク連銀総裁は金融と規制の双方の政策にとって重要なポストだと話した。
ニューヨ-ク連銀総裁は米連邦公開市場委員会(FOMC)で常に投票権を持つほか、外国中銀との調整役も果たす。
ダドリー氏は元ゴールドマン・サックスのチーフエコノミストで、2007年に市場部門責任者としてニューヨ-ク連銀に入行、金融危機下の2009年初めに総裁に就任した。以来、バーナンキ前FRB議長やイエレン議長の片腕としておおむねハト派的な路線を歩んできた。ただ最近では、インフレ率が目標を下回る中でもより積極的な引き締めを支持する立場をとっていた。
ダドリー氏はこの日行った講演で、米経済が安定し、FOMC内で政策を巡り合意が形成されている今が、指導部交代に適した時期だとの見方を示した。
イエレン議長とダドリー総裁を除くと、現在のFOMCで、10年前に危機対応の緊急措置を導入した時期からメンバーを務めているのはわずか3人となる。
アライアンスバーンスタインの米国エコノミスト、エリック・ウィノグラッド氏は「ダドリー氏は組織としての記憶や安定、経験の重要なソースだった。代わりを見つけるのは容易でない」と話した。
後任には、ニューヨ-ク連銀の市場操作部門責任者であるサイモン・ポッター氏や、同連銀の市場操作分析・監督部門責任者ローリー・ローガン氏、ポッター氏の前任で現在は投資会社DEショーに勤務するブライアン・サック氏などが候補となる可能性がある。
元FRB当局者や過去の人選に詳しい関係者によると、FRBの現職および元理事や地区連銀総裁も検討対象になる可能性があり、FRBのブレイナード理事やウォーシュ元理事が含まれるかもしれないという。
*内容を追加しました。