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安倍首相「貿易摩擦時代と異なる」、米側から一定理解

2017年02月13日(月)22時23分

 2月13日、安倍晋三首相はトランプ米大統領に、自動車貿易に関する事実関係を入念に説明したと明らかにした。写真はフロリダ州で11日撮影(2016年 ロイター/Carlos Barria)

[東京 13日 ロイター] - 安倍晋三首相は13日夜、BSフジの番組に出演し、日米首脳会談でトランプ米大統領に対し、自動車貿易に関する事実関係を入念に説明したと明らかにした。その上で「80年代、90年代の貿易摩擦時代の構造とは違うということは理解いただけたのでは」と指摘した。

安倍首相は首脳会談で、日本の自動車メーカーによる米国での雇用創出への貢献などについて伝えたが、これについてトランプ大統領から特段の発言は出なかったという。

米国がすでに離脱を表明した環太平洋連携協定(TPP)を巡っては、「日米が主導してアジア太平洋地域に自由で公正な経済圏を構築することの意義についてはお互いの利害が一致した」と強調。

日米二国間協議を排除しないと同時に、多国間の枠組みも否定せず、あらゆる選択肢を検討する考えを示した。

トランプ大統領が批判の矛先を向けた為替政策は、首脳間での議論にはならなかった。安倍首相は、オバマ政権時代に米側から首脳レベルでの為替協議を持ちかけられたと明かした上で、「(為替は)首脳同士が口角泡を飛ばしてする議論ではないし、むしろ悪い影響しかない」と指摘。引き続き、財務相間での議論に委ねる考えでトランプ氏と一致したと語った。

首相は米国の入国管理政策についてコメントを避ける一方、「米国のような国を孤立させてはならない」と述べ、大統領と信頼関係を構築することで、世界が直面する課題に取り組むべきと強調した。

北朝鮮のミサイル発射後に、両首脳が共同会見を開いたことにも触れ、「日米が100%ともにあるという姿を示す絶好の機会になった」とも語った。

一方、安倍首相はNHKの番組にも出演し、日米共同声明に関して「当日までなかなか決まらなかった」と述べた。

麻生太郎副総理とペンス副大統領の下で進める経済対話では、マクロ経済政策や貿易ルールなどを包括的に議論するが、数値目標などは「生産的でない」として導入しない考えを示した。

北朝鮮に関しては、軍事力行使に慎重だったオバマ政権と比較し、「北朝鮮への米国の姿勢はより厳しくなる」との見通しを示した。

また、トランプ大統領とは、主要7カ国(G7)などの国際会議のたびに首脳会談を開催することで一致したと明らかにした。

(梅川崇 編集:吉瀬邦彦)

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