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9月米利上げの可能性にFRB高官らが言及、景気先行きに自信

2016年08月17日(水)06時31分

 8月16日、ダドリー米ニューヨーク連銀総裁(写真)の発言を受けて、米利上げ観測が高まった。ニューヨークで昨年11月撮影(2016年 ロイター/Mike Segar)

[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)高官2人は16日、米景気先行きに明るい見方を示し、9月会合での利上げもあり得ると認識を示した。これを受け、市場では年内の利上げ観測が高まった。

ダドリー米ニューヨーク連銀総裁はフォックス・ビジネス・ネットワーク(FBN)に対し、労働市場の引き締まりや賃金増の兆候を踏まえると、来月にもFRBが利上げに踏み切る可能性があるとの認識を表明。ロックハート米アトランタ地区連銀総裁は、年内少なくとも1度の利上げの可能性を排除しないとし、9月の利上げもあり得るとの考えを示した。

英国による想定外の欧州連合(EU)離脱決定という波乱要因があったにも関わらず、市場では持続的な影響はほとんど見られず、米経済も1%程度の成長にとどまった上期から持ち直しの兆しが出ている。6、7月は2カ月連続で雇用者数が大きく増加したほか、朝方発表された経済指標も鉱工業生産、住宅着工がともに堅調な伸びを示した。

イエレンFRB議長の側近とされるダドリー総裁は「一段の利上げが適切となる時期が近づいている」と指摘。約2週間前に行なった講演時よりも、自信を深めている様子がうかがわれた。

依然として低水準にとどまっているインフレ率をめぐっては、賃金増、そして最終的にはインフレ加速につながるほど、経済成長が十分に力強いかが問題と指摘。「現時点ではその軌道上にあるもようで、今後数カ月の動向を見極める必要がある」とした。

ロックハート総裁は「仮にきょう会合が開かれれば、経済指標は利上げの是非をめぐる真剣な話し合いを正当化するだろう」とし、年内2度の利上げも「想定可能」と語った。利上げ決定について特定の時期に縛られないとしながらも、継続的な雇用の伸びやインフレ加速の健全な兆候は、9月利上げを正当化する材料になる可能性があるとした。

両総裁の発言を受け、米株は下落。CMEグループのフェドウォッチプログラムによると、米短期金利相場が織り込む9月の利上げ確率は9%から18%に、12月利上げの確率は42%から50%にそれぞれ上昇した。

*内容を追加して再送します。

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