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米解雇件数は14年以来の低水準、労働市場さらに引き締まる

8月10日、米労働省が6月の米求人労働移動調査を発表した。写真はボストンの店頭に掲げられた求人広告。2010年9月撮影(2016年 ロイター/Brian Snyder)
[ワシントン 10日 ロイター] - 米労働省が発表した6月の米求人労働移動調査(JOLTS)によると、求人件数(季節調整済み)が約560万件と、前月から11万件増加した一方、解雇件数は約160万件と2014年9月以来の水準に低下し、米労働市場が一段と引き締まりつつあることが確認された。
求人件数の増加に伴い求人率は3.8%と、前月の3.7%から上昇。解雇率は1.1%と、2013年11月以来の水準に低下した。
採用件数は約510万件と、前月の約500万件から増加。採用率は3.6%に上昇した。採用件数の増加は4カ月ぶり。適切な能力を持つ人材の採用が可能になったことを示している可能性がある。
6月はほぼすべての業種で求人件数が増加。特に製造業と建設業で大きく伸びたことで、労働需要が安定化しつつあることが確認された。
このほか自主的な離職率は2.0%と、3カ月連続で横ばい。JOLTS(Job Openings and Labor Turnover Survey)調査はイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長をはじめとするFRB当局者が金融政策運営にあたり注目している指標の1つだが、なかでも労働市場の信頼感の指標として当局者は自主的な離職率に注目している。
RDQエコノミクス(ニューヨーク)の首席エコノミスト、ジョン・ライディング氏は「米労働市場が引き締まっていることがあらためて確認された」とし、「労働市場の需要にまったく問題はないことは明らかだ。労働市場に存在する雇用のミスマッチの解消に対しては金融政策で対応できることはない」と述べた。
バークレイズ(ニューヨーク)のエコノミスト、ジェシー・ハーウィッツ氏は「労働需要が増加していることで雇用が一段と増加し、賃金の上昇、家計収入の増加につながっていくと思われる」としている。