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ドル上昇、強い米ISM指数で 円高行き過ぎの見方も=NY市場

2016年03月02日(水)07時34分

 3月1日、終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対円で反発した。円高が行き過ぎたとの見方で円が売られた。写真はドル紙幣、台北で2010年11月撮影(2016年 ロイター/Nicky Loh)

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対円で反発した。円高が行き過ぎたとの見方で円が売られた。

またドルの主要6通貨に対するドル指数<.DXY>も上昇。強い内容となった2月の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数で米利上げ観測が広がり、欧米の金融政策の方向性の違いが意識される中、ユーロは対ドルで約1か月ぶり安値水準に下落した。

ドル/円は2月18日以来の高値となる114.18円を付けた後、終盤は1.22%高の114.03円で取引されている。29日の下げを取り戻し、1日の上昇率としては1カ月超ぶりの大きさだった。

フェデレーテッド・インベスターズの国際債券部門責任者、イハブ・サリブ氏は「きょうの動きから見てとれることは、円の買い持ちが少々行き過ぎたったということだ」と述べた。

2月の米ISM製造業景気指数は、前月の48.2から49.5に上昇。市場予想の48.5も上回った。これで米連邦準備理事会(FRB)は、今年少なくとも1回の利上げは行うとの期待が高まった。

サリブ氏はこの指標が「決定打になったのかもしれない」との見方を示した。

アナリストによれば、ISM指標後広がった米利上げ期待は日銀が追加緩和に踏み切る可能性が意識される中、ドル/円の上昇要因にもなった。

また欧州中央銀行(ECB)も、3月10日の理事会で新たな緩和策を打ち出す見通しがある。アナリストは、欧米の金融政策の方向性の違いの見通しで、ユーロ/ドルは約1カ月ぶり安値の1.0835ドルまで売られたとみている。

マッコーリー(ニューヨーク)のグローバル金利・通貨ストラテジスト、ティエリ・アルバート・ウィズマン氏は「ECBと日銀の(緩和)姿勢は続く」と予想する。

ユーロ/ドルは終盤持ち直し、0.08%安の1.0862ドルとなっている。前出のサリブ氏は、ECBの緩和策が市場の失望を誘う可能性をこの動きに重ねてみせた。

ドル指数は約1カ月ぶり高値の98.57に上昇後、直近は0.15%高の98.359だった。

ドル/円 NY時間終値 113.90/113.93

前営業日終値 112.77

ユーロ/ドル NY時間終値 1.0868/1.0873

前営業日終値 1.0871

*内容を追加しました。

ロイター
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