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エアバッグ用インフレーター、硝酸アンモニウム代替品採用へ=マツダ

2015年11月05日(木)20時45分

 11月5日、マツダはエアバッグのインフレーター(ガス発生装置)について、開発中の車両から硝酸アンモニウムを使用していないものを採用していく方針を示した。写真は同社のロゴ。都内で5月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

[東京 5日 ロイター] - マツダ<7261.T>は5日、エアバッグのインフレーター(ガス発生装置)について、開発中の車両から硝酸アンモニウムを使用していないものを採用していく方針を示した。

硝酸アンモ二ウムの代替品として安全性や耐久性が確保される材料が用いられていれば、タカタ<7312.T>の製品も排除しないで検討するという。

マツダの丸本明副社長は同日開いた決算会見で「開発車については硝酸アンモニウムを使ったインフレーターは採用しない方向」と述べた。硝酸アンモニウムを用いていなければ、タカタの製品についても「是々非々で検討していく」という。

現在、タカタ製インフレーターは、高温多湿に弱いとされる硝酸アンモニウムをガス発生剤に使用しており、死亡事故などにつながったエアバッグの異常破裂との関連性が指摘されている。タカタ製インフレーターについては、ホンダ<7267.T>が新たに開発する車に使用しないことを明らかにしているほか、三菱自動車工業<7211.T>や富士重工業<7270.T>も使用中止を検討しているという。

<ディーゼル車、米国への導入が遅れる可能性>

丸本副社長は、独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題に関連し、足元、欧州や日本でのディーゼル車販売に「顕著なものは見られていない」と述べた。米国へのディーゼル車投入計画は維持する方針を示したが、試験の強化などを視野に入れると「導入は想定している時期よりも遅れる可能性がある」と述べた。

<今期営業益、3期連続過去最高の見通し>

マツダは同日、2016年3月期の連結営業利益予想を前年比13.4%増の2300億円に上方修正すると発表した。3期連続で過去最高を更新する見通し。従来予想は2100億円だったが、低燃費技術「スカイアクティブ」を搭載した車両の世界販売が好調に推移。コスト改善も寄与する。

世界販売台数は従来計画から2万5000台上乗せし、151万5000台に上方修正した。欧州やASEAN、その他地域で販売が伸びる。

売上高予想は従来の3兆2500億円から3兆3700億円に、当期利益予想は1400億円から1550億円にそれぞれ引き上げた。

下期以降のリスクについては、中国や新興国の需要減、米国の利上げによる新興国経済への影響を想定しているという。

(杉山健太郎 編集:中山陽子)

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