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NY市場サマリー(10日)

2015年03月11日(水)07時17分

[10日 ロイター] - <為替> ドルは対ユーロで約12年ぶり、対円で約8年ぶりの高値を付けるなど全面高の展開となった。米連邦準備理事会(FRB)が年央にも利上げに踏み切るとの見通しで、ドルが買われた。

一方ユーロは、欧州中銀(ECB)が前日に国債買い入れを開始し、ユーロ圏の国債利回りが低下する中、全面安となった。

ドル/円は2007年7月以来の高値の122.04円をアジアの取引時間帯に付けたが、ニューヨーク市場の終盤はほぼ横ばいの121.135円。

ギリシャ債務問題もユーロの重しとなった。ドイツ銀行は9日付のリサーチ・ノートで、ユーロ/ドルは年末までにパリティの1.0000ドル、2016年末までに0.90ドル、17年末までに0.85ドルに下落するとの予想を示している。

<債券> 国債利回りが低下、価格は値上がりした。欧州中央銀行(ECB)が前日から国債買い入れを開始したことで、欧州各国の国債利回りが軒並み低下するなか、欧州の動きにつれる形で米国債利回りも低下した。

欧州市場では、前日にオーストリア、オランダ、ドイツ、フィンランドなど、ユーロ圏中核国の国債利回りが過去最低を軒並み更新したのに続き、この日はイタリア、スペイン、アイルランドの国債利回りがそろって過去最低となった。市場関係者によると、この2日間で高格付け国の中銀の方が周辺国の中銀よりも活発に買い入れを行ったという。

割安な投資対象をロングにし、割高な投資対象をショートにするバリュー取引が相場の最も大きな変動要因になっているとの見方がでた。

市場関係者は「190ベーシスポイント(bp)もの欧米の利回り格差が米国債の投資妙味を引き立てており、同時にドル高を招いている」と指摘した。

<株式> 急反落。連邦準備理事会(FRB)が6月にも利上げを行うとの観測が強まり、ダウ平均が300ドル以上値下がりしたほか、S&P総合500種<.SPX>も1月5日以来、約2カ月ぶりの大幅な下げを記録した。

ダウ工業株30種とS&P総合500種の終値はともに年初来でマイナス圏、S&P総合500種は今月2日の最高値から3.5%安となった。

6日に発表された2月の非農業部門雇用者数が予想を上回る増加となったことが、FRBの利上げをめぐる不安感をもたらした。

FRBの早期利上げ観測に伴ってドルは対ユーロで約12年ぶりの高値をつけ、ドル高が米国の多国籍企業の利益を圧迫し続けるとの懸念も強まった。

原油価格下落を受け、石油のコノコフィリップスが1.8%、オキシデンタル・ペトロリアムが1.3%、それぞれ値下がりした。

S&P総合500種の10セクターでみると、金融とハイテクがいずれも2%強安で下げが最もきつくなった。銀行のウェルズ・ファーゴは2.5%下落した。

<金先物> 反落。ドル高が進んだことによる割高感から売られた。ただ世界的な株安を受けて投資家心理が悪化、安全資産として金を買う動きもあり下値は限定的にとどまった。

<米原油先物> 反落。ユーロ安が一段と進行しドル建ての割高感が強まるにつれ下げ足を速めた。米石油協会(API)、米エネルギー情報局(EIA)の週報公表を控え、過剰供給の長期化懸念が改めて台頭。前日に反発した後を受けた利益確定の売りも加わり、電子取引では一時48.20ドルまで下落したが、安値拾いの買いは限られた。

*内容を追加しました。

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