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【能登半島地震】正義ぶった自粛警察が災害救助の足を引っ張る
2012年に内閣府が編集した「防災ボランティア活動に関する論点集」では、東日本大震災時のボランティア活動について、「災害発生直後、被災地に行くことを抑制するメッセージが多方面から発信されたことで地域外からのボランティア活動の出足が鈍った」ことが課題の一つとしてあげられている。被災地の道路状況や支援の受け入れ態勢について適切な情報を発信することと、「自粛警察」になることは異なる。能登地震では、比較的早期に交通事情が改善された能登半島南部でも、1月上旬には既に人手不足が報じられていた。政府や自治体の発信、あるいは「自粛警察」化したSNSの人々は、東日本大震災の教訓を学んでいたのだろうか。
自主性や創意を恐れるな
今回の震災ではなぜ「自粛警察」がSNSを中心に発生してしまったのだろうか。今回バッシングの対象になったボランティア、ジャーナリスト、野党議員に共通しているのは、体制や権力の外側にいる立場だということだ。公権力の管理に服さない人々は、ソルニットが述べるように権力側の「エリート」にとっては災害時に混乱をもたらす存在でしかない。そのような偏見が、SNSに広がっているのではないだろうか。
もちろん災害支援活動に一定の秩序は必要だ。しかし過度な管理はするべきではない。近年の災害支援をめぐる言論状況では、軍隊用語が多く用いられてきている。たとえば「オペレーション」「ロジスティクス」「ミッション」といった単語だ。軍事作戦ではスタンドプレーや例外的な行動は命にかかわることになり、決して許されない。このような尺度で災害支援活動も捉えられてしまうと、「スタンドプレー」にみえるような抜け駆け的な被災地入りは悪ということになってしまう。
しかし災害支援活動と軍事活動は異なる。ボランティアの四原則と呼ばれるものの中には、「創造性(先駆性)」の項目もある。自主的に課題を発見し、その解決のために自由なアイデアをもたらす柔軟性が支援の現場にとって役立つとされている。被災地に行くのも行かないのも、被災地の状況を理解しながら、個々の考えや必要性に応じて決定されることであり、一律に抑え込むべきことでもない。
発災から1カ月がたち、能登半島の各自治体では、極めて少人数ではあるが、ようやくボランティアを本格的に受け入れ始めている。今後求められているのは、市民の自発的な連帯を抑制する「自粛警察」ではなく、被災地域内外から集まってきた市民たちの、公権力から自立した連帯がもたらす、自由な創造性への期待になるだろう。
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